今週の明言

大手SIer幹部が説くクラウドビジネスの勘所

松岡功

2015-06-19 12:00

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、新日鉄住金ソリューションズの大城卓 取締役上席執行役員と、米MicrosoftのJennifer Byrne チーフセキュリティオフィサーの発言を紹介する。

「AWSとの連携は互いのクラウドとしての特徴を生かしながら顧客ニーズに応えたい」
(新日鉄住金ソリューションズ 大城卓 取締役上席執行役員)


新日鉄住金ソリューションズ 取締役上席執行役員 大城卓氏

 新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)が先ごろ、クラウドをはじめとしたITアウトソーシングサービス事業の取り組みについて記者説明会を開いた。同社取締役上席執行役員でITインフラソリューション事業本部長を務める大城氏の冒頭の発言は、その説明会で、同社のクラウド基盤サービス「absonne(アブソンヌ)」とAmazon Web Services(AWS)のパブリッククラウドサービスを連携させたシステム構築・運用サービスの取り組みについて語ったものである。

 NSSOLはまだ「クラウド」という言葉がIT市場で定着していなかった2008年に、オンデマンドでのユーティリティコンピューティング環境を提供する目的でabsonneを市場投入。その後、図のような変遷を経て2014年に、マネージドクラウドサービス「absonne Enterprise Cloud Service(ECS)」と、プライベートクラウド構築サービス「absonne Enterprise Cloud Framework(ECF)」として再整備を行った。


NSSOLにおけるクラウドビジネスの変遷

 大城氏はabsonneについて、「システムインテグレータ(SIer)の視点から、次世代の企業情報システムのIT基盤のあり方を具現化したもの。具体的には、まずお客様のオンプレミス環境をそのまま当社のデータセンターに移設してもらい、順次absonneへ移行し、クラウドサービスとしてお客様に提供していく形に変えていく。お客様にとってはクラウドへの移行を当社にお任せいただくことで安心感が得られ、コスト削減や品質向上につながる」と説明した。

 さらに、2014年11月には、absonneとAWSを連携させたシステム構築、運用サービスを発表。大城氏によると、AWSとの連携については、「試行などで素早く簡単に使ってから返せる環境がほしい」「サービスレベルにはこだわらない安価な環境がほしい」といったabsonneユーザーのリクエストに応えたものだという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. セキュリティ

    こんなにあった!従来型SIEMが抱える課題──次世代SIEMに必須の“8つの要件”とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]