サーバ市場が前年比20%増--大型案件を獲得、ODMが伸長:IDC調査

2015-06-19 12:42

 IDC Japanは6月19日、1月~3月の国内サーバ市場の動向を発表した。1~3月は前年同期比19.3%増の1484億円。出荷台数は、前年同期比1.2%減の16万2000台だった。

 今期は、ビジネスサーバを除く、x86サーバ、メインフレーム、RISC&IA64サーバ(UNIXサーバ)、スーパーコンピュータの製品分野で、前年同期比で大幅に出荷額が増加した。

 出荷額の増加は、HPC専用機とメインフレーム新機種の大型案件に加え、x86サーバでは平均単価の上昇により、出荷台数の減少による出荷額減を補った。x86サーバの平均単価は、円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことや、仮想化の導入によるオプションの増加によって上昇した。

 ベンダー別出荷額では、前四半期に続き富士通が首位だった。RISCサーバで高性能コンピューティング(HPC)の新機種である「FX100」の大型案件があった。x86サーバでは2桁のプラス成長だった。

 一方、メインフレームとビジネスサーバはマイナス成長だった。2位はNECで、すべての製品分野で出荷額が増加した。今期もスーパーコンピュータで大型案件があった。3位はHPで、x86サーバでは、HPC専用機など複数の新機種による大口の案件によりプラス成長を確保した。4位は日立製作所で、すべての製品分野でプラス成長だった。5位はIBMで、メインフレームでは新機種である「z13」が出荷され、大幅なプラス成長となった。6位のデルは、3四半期ぶりにプラス成長を確保した。

 x86サーバ市場は、出荷額が979億円となり、前年同期比で12.1%増加。IDCが調査を開始した2000年以降、最高の出荷額を記録している。

 出荷台数は前年同期比で1.1%減の16万1000台であり。4000台規模の大口案件があったものの、消費税増税前の駆け込み需要があった前年同期ほどの出荷台数には至らなかった。

 一方、ユーザー企業ごとにカスタマイズしたサーバを開発、製造するメーカー(Original Design Manufacturer:ODM) が直接ユーザー企業に出荷する “ODMダイレクト”の出荷台数は、前年同期比で113%増加し、3四半期連続でx86サーバの出荷台数の10%以上を占めたという。

 ODM Directの増加は、2014年から続く複数のサービスプロバイダによる、クラウドサービスの新規立ち上げや増設を反映しているものとみる。

 IDCは、今期の国内サーバ市場は、前年同期に消費税増税前の駆け込み需要があったにも関わらず、大型案件や円安の影響などにより、出荷額では前年同期比で2桁のプラス成長だったと説明。

 一方、出荷台数では、仮想化によるサーバ集約の影響により、4四半期連続のマイナス成長だったと指摘。ベンダーに対し、継続的にハードウェアビジネスにおける収益を確保するため、クラウドやモバイル、ソーシャルなどの“第3のプラットフォーム”を活用した新規需要の創出に取り組む必要があると提言している。


2015年第1四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア(出荷額:IDC提供)

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