トヨタグループの豊田ハイシステムは、開発、運用する生産管理システムを刷新し、データ連携基盤を整えた。システム構築を支援したアシストが6月22日に発表した。
豊田ハイシステムでは、生産や物流を管理するシステムの開発やITインフラの企画、構築、運用を担い、自動車以外にも製造業、物流分野、医療分野などの領域から海外展開を支援しているという。
製造工場の生産管理システムの再構築にあたり、製造ラインで毎秒生成される連続したデータのリアルタイム収集と生産実績のモニタリングに取り組んだ。一方、製造に関連するシステムは個別の業務要件ごとに構築、運用されており、生産情報や工程管理、品質管理、保全管理などのデータが散在していた。このため、異常検知の早期発見や品質不良調査の迅速なトレーサビリティの障壁になることがあったという。
そこで、製造ラインで発生するあらゆるデータの一元管理に向けてデータ処理の仕組みを見直した結果、データ連携ミドルウェア「DataSpider Servista」の採用を決めた。
DataSpider Servistaと日立の統合システム運用管理ソフト「JP1」を組み合わせ、各システムから生成されるCSVファイルを自動収集し、データを読み取るプロセスを秒単位で起動できるようになった。これまでバラバラだった製造ラインの全データを集約し、一元管理している。
また、製造ラインの全データの即時収集と高速なデータ連携処理により、数秒から15秒程度で工場内に設置されたラインモニターに最新の稼働状況を表示し、生産状況をリアルタイムに可視化している。
このほか、製造ラインの異常を検知すると即座に関係者にアラートできるため、初動対応の時間短縮につながったほか、データが一元管理されたため、品質不良の際の原因を突き止めることが容易になった。
工場内で製造ラインの最新稼働状況を確認でき、遠隔地のオフィスからも工場の状況をほぼリアルタイムで把握できるようになったという。
生産数などの生産実績や残工数も詳細に把握できるため、製造に携わる社員の就業時間を事前に調整できるなど、従業員のワークスタイルへの波及効果が大きいとのこと。
システム刷新により、製造現場で毎秒生成されるシーケンシャルデータを活用した製造プロセス改革に取り組めたことが成果だった説明している。