IoE向けにチップを搭載したさまざまな製品を展開
続いて登壇したのは、クアルコムジャパンの特別顧問である山田純氏。同社のIoE(Internet of Everything)への取り組みについて紹介した。なお、IoEの定義には携帯電話やスマートフォンは含まれないとした。現在キーとなる業界として、スマートシティ、ネットワーキング、スマートホーム、ウェアラブル、ヘルスケア、自動車、モバイルコンピューティングを挙げている。これらのデバイスは2018年には50億台になるといわれ、10億台とみられているスマートフォンを大きく上回ることになる。
同社のIoEは、2014年で10億ドルの売り上げがあり、2015年は10%の成長が見込まれている。また、IoEを実現するための技術は多岐にわたっており、その中でも「LTE-A.B」「AllJoyn」「Cognitive Computing」に注力しているという。山田氏は、ナローバンドにすることでカバレッジを広くしたIoE向けの「LTE MTC」、IoEのための言語である「AllJoyn」、さまざまなものを認識するエッジ端末側の技術「Cognitive Computing」について説明した。
クアルコムが注力する「AllJoyn」
さらに山田氏は、同社のIoE向け製品を紹介した。「Gobi」は、3Gおよび4Gの通信回線に接続できるM2Mソリューション。最近の流れとして、モジュールにLinuxが動作するチップを組み込むことだという。これにより、モデムでありながらサーバとして動作することが可能になる。SoCsは組み込み機能用の開発ボードで、これまで同社では取り組んでいなかった製品だ。OEMなどによりサードパーティと組んで展開していくという。
クアルコムの組み込み機能用の開発ボード「SoCs」
ウェアラブルにおいては、チップを搭載した時計やメガネ型端末を提供している。20以上の製品を30以上の国で販売している。またスマートライトとして、ライティングのサービスフレームワークの出荷が始まっているという。これは、例えば、ドアの鍵を開けるとバルブに直接コマンドが送られる仕組みとなっている。さらに、「AllPlay」に対応したWi-Fiスピーカーも紹介した。