SunSpider 1.02:このウェブブラウザベンチマークツールは、レンダリングエンジン「WebKit」のオープンソースプロジェクトが出しているもので、これらのテストの中ではもっとも古い。このベンチマークは、JavaScript言語の核となる部分しかテストしておらず、例えばJavaScripotのドキュメントオブジェクトモデル(DOM)や、ブラウザのほかのAPIの性能も評価していない。

Internet Explorer 11は、SunSpiderで驚くべき好成績を収めた。
SunSpiderの評価では、スコアが低いほどよい。つまり、このベンチマークの勝者はなんとInternet Explorer 11だった。確かに、IEとEdgeとの差は誤差と言ってもいいほど小さかったが、テストを何度実行しても、IEは常にEdgeをわずかな差で上回っていた。
筆者の推測では、これはEdgeのレンダリングエンジン中のテストコードが原因のように思われる。Windows 10が実際に出荷される時点では、EdgeはIE 11よりもずっと高速になっているのではないだろうか。のこり3つのブラウザはの順位は、高速な方から順にFirefox、Chrome、Operaだった。
Kraken 1.1:このベンチマークはSunSpiderをベースにしているが、JavaScriptの性能も計測する。SunSpiderの基本的なJavaScriptのテストに、一般的なユースケースのシナリオが追加されている。Krakenを作ったのは、Firefoxの親組織であるMozillaだ。このテストでも、SunSpiderと同じく、スコアが低いほどよい。

Krakenでは、IE 11は大差で最下位となり、Chromeがほかのブラウザにハナ差で勝利した。
Krakenのテスト結果は全体的にかなりの接戦だった。ChromeはOperaとEdgeに勝利したが、その差は僅差だった。Firefoxはそれより少し悪く、IE 11は大差で最下位だった。
しかし、なぜIE 11はこれほど成績が悪かったのだろうか。その理由は分からない。筆者の推測では、Krakenのデータ量はSunSpiderと比べてかなり大きいため、Krakenのテストの大部分は、高速だがサイズが小さいキャッシュRAMではなく、メインメモリで実行されたのではないだろうか。高速メモリの恩恵が受けられなくなり、IEの古いレンダリングエンジンの弱点が明らかになったのだと考えられる。
Octane 2.0:Googleが提供しているこのJavaScriptのテストには、最近の対話性が高いWebアプリケーションのためのテストシナリオも含まれている。このベンチマークでは、スコアが高いほどよい。OctaneはGoogle製品専用のベンチマークではない。例えば、このテストではMicrosoftのTypeScriptをコンパイルする速度もテストすることができる。

OctaneはGoogleが設計したベンチマークだが、EdgeのスコアはChromeを上回っている。
実際、EdgeはChromeを上回ってこのテストで首位となった。その後には、少し差があってOperaとFirefoxが続いている。IEはこのテストでも、大差で最下位となった。