IDC Japanは6月23日、3Dプリンタの本体と関連サービス市場の調査結果と予測を発表した。2014年は前年比65.3%増の336億3000万円、2014~2021年の年平均成長率(CAGR)は8.8%、2021年の総売り上げ額を1123億7000万円と予測している。
2014年の3Dプリンタ本体は前年比80.3%増の208億円だった。市場セグメント別では、本体価格50万円未満のデスクトップ型が15億2000万円(構成比7.3%)、本体価格50万円以上のプロフェッショナル型は192億8000万円(同92.7%)。周辺サービスの売り上げ額は前年比44.1%増の86億1000万円だった。三次元受託造形(3Dプリント)サービスが普及して利用者やプロフェッショナル3Dプリンタの稼働台数が増え、保守や修理サービスの売り上げに結びついた。造形材料の売上額は42億2000万円(同49.1%)で、稼働台数増に加え、造形材料の多様化や業務用途の拡大などにより、消費量が増加した。
2014年の3Dプリンタ本体の出荷台数は前年比157%増の9927台だった。内訳はデスクトップ型が7750台(構成比78.1%)、プロフェッショナル3Dプリンタの出荷台数が21.9%増の2177台(同21.9%)だった。
ベンダー別シェアでは、デスクトップ型の1位がXYZプリンティング41.3%、2位がストラタシス19.4%、3位がムトーエンジニアリング15.7%、4位が3Dシステムズ14.2%だった。
プロフェッショナル型は1位がストラタシス43.0%、2位が3Dシステムズ24.9%、3位がキーエンス8.3%、4位がローランドディー ジー で5.5%だった。どちらの市場セグメントも、新規参入ベンダーの出荷台数の伸びが顕著な1年になったとしている。
3Dプリンタ本体の出荷台数は2014~2021年のCAGRを27.9%、2021年には5万5545台に達すると予測。3Dプリンタ本体売上額は同期間としてCAGRを13.4%、2021年には502億8000万円、関連市場については、2021年に周辺サービスは320億5000万円、造形材料は300億4000万円と予測した。
こうした成長には、プロフェッショナル3Dプリンタの果たす役割が大きく、2015年以降も3Dプリントサービス事業者やユーザー企業への導入が拡大し、それに伴って周辺サービス/造形材料の売上額が増加する構図が続くと見る。一方、デスクトップ3Dプリンタは売上額では少ないものの、今後も個人を中心に利用者の裾野拡大の役割を担っていくとしている。
IDCは、デスクトップ型は個人ユーザーを十分に意識した操作性と認知の向上、プロフェッショナル3Dプリンタは高付加価値部品製造へのシフトなど用途の高度化、造形ノウハウの蓄積など、求められるものが違うと指摘。中長期的な視点から、次世代のユーザーや設計者を育成する取り組みも求められる説明している。
国内3Dプリンタ 市場セグメント別 出荷台数推移 2013~2021年
国内3Dプリンタ 本体及び関連市場 売上額推移 2013~2021年