ヴイエムウェアは6月23日、「Docker」向けソフトウェア「VMware AppCatalyst」と「Project Bonneville」のテクノロジプレビューを発表した。クラウドネイティブアプリケーションのビルド、デプロイ、実行に対する企業のニーズに対応するという。
AppCatalystは、APIとCUIで操作できる開発者向けのハイパーバイザ。開発者はコンテナ化されたマイクロサービスべースのアプリケーションのビルドやテストを実施するために、デスクトップのローカル上にプライベートクラウド環境を高速かつ簡単に複製できるという。
同ソフトウェアは、コンテナ向けに最適化されたLinuxである「Project Photon」(VMware開発)、パブリッククラウドなどの環境に自動的にDocker環境を構築するための「Docker Machine」(Docker開発)、仮想マシン(VM)をCUIで操作するツール「Vagrant」と連携して利用できる。同日からMac OS X向けにコミュニティサイトを通じて無料で提供している。
Bonnevilleは、Dockerコンテナと「VMware vSphere」プラットフォームをシームレスに統合できるという。仮想基盤の管理者は、新規ツールの導入や追加のトレーニングの必要なく、「VMware vCenter Server」などの既存の運用管理ツールからBonnevilleを利用できる。
同ソフトウェアはDocker向けに最適化されており、作成したコンテナを公開するサービス「Docker Hub」からコンテナをダウンロードし、vSphereの「Instant Clone」機能を活用して最小限のオーバーヘッドでコンテナをVM上で隔離しながら起動できると説明。BonnevilleとInstant Cloneを組み合わせることでVMごとに1つのコンテナを利用できるレベルにまでVMを軽量化できるという。
Bonnevilleを通じて、安全かつ隔離されたコンテナを実現するとともに、コンテナの挙動や仮想環境内での稼働場所などの可視性が管理者向けに提供されるとしている。Bonnevilleは、Windowsなどのx86ベースのOS上でDockerコンテナに対応できるよう開発されている。