2015年末の日経平均見通しを引き上げ
窪田氏は、日経平均の年末予想を、2万1000円から2万2000円へ引き上げた。企業業績の見通しが想定以上に改善していたので、もう少し早く引き上げるべきだったという。見通し引き上げの理由は、以下の3点だ。
(1)日本の企業業績見通しを引き上げ
2016年3月期の東証一部(除く金融)経常増益率予想を、プラス15%からプラス18%へ引き上げた。円安・原油安の恩恵が顕在化し、日本の景気・企業業績の回復がより鮮明になりつつあることが考慮された。
(2)米利上げがあっても世界金利のさらなる上昇余地は小さいと考えられること
年内に米利上げが想定され、その前に世界的に株が調整するリスクが警戒されていたが、米国の成長率やインフレ率低下に伴い、米利上げによって引き起こされる世界の金利上昇余地が小さくなったと判断された。米利上げは引き続き警戒材料だが、日本株への影響は、当初想定よりも小さくなると考えられる。
(3)コーポレートガバナンス向上が日本株への外国人投資家の投資意欲を引き上げていること
ROE(自己資本利益率)引き上げを目標として、自社株買いを実施する企業が増えてきたことが好感される。ROEが継続的に低すぎる企業の経営者再任議案に、機関投資家が反対票を投じるようになった効果が出ていると思われる。
また、日本企業の財務改善が進み、実質無借金になる企業が増えていることも、株主還元に前向きになる企業が増えている背景にある。
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