富士通は6月24日、企業・団体のICTシステム構築において、現場に最適なUX(User eXperience)を提供するシステム構築を支援するコンサルティング「FUJITSU Application Development and Integration shaping Next UX」(shaping Next UX)を同日より提供すると発表した。

FUJITSU Knowledge Integrationの概要
同サービスは、システム要件定義の段階で、システム構築とUXデザインのノウハウと実績を併せ持つSEが、グラフィックデザイナーなどのデザイナーとともに、ユーザーニーズの抽出プロセス、ユーザーとの合意形成を図る形成プロセス、およびプロトタイプなどを用いてユーザーニーズの検証と解決策のブラッシュアップを図る体感プロセスを主導し、ユーザー満足度の高いシステムの実現を支援するコンサルティング。
富士通独自のインタビューやワークショップの技法で、ユーザーから、ユーザー自身も気が付いていない真のユーザーニーズを導出し、ユーザー満足度の高いシステムのUXのコンセプトを可視化し、具現化していくという。
富士通では、ICTを活用し、ビジネスモデルの変革や新たな価値創造を図るデジタルビジネス時代をけん引する新しいインテグレーションのコンセプトを「FUJITSU Knowledge Integration」として提唱しており、同サービスはこのコンセプトに基づくサービスの一つに位置付けられる。
shaping Next UXの主な特徴は以下の通り。
UXデザインとシステム構築のスキルと実績を兼ね備えたSEによるシステム要件定義
システム構築のノウハウと実績を持ち、最適なUXを提供するデザイン習得プログラムを修了した富士通グループのSEが、グループのグラフィックデザイナーなどのデザイナーとともに、システム要件定義のプロセスを主導。これにより、デザイナーが持つ斬新なアイデアや、視覚効果、操作性などを取り入れ、システムへの実装性やシステム効率にも優れたプロトタイプを効率的に開発する。
また、本サービスの実施者であるSEがシステム構築のプロジェクト推進チームに続けて参加することも可能。後工程の設計・開発・テスティングの担当者へ、文書では伝えきれない要件を確実に伝達し、テスティングに参加することで、システム要件の確実な実現を支援する。
最適なUXを提供するためのデザインプロセス
(1)抽出プロセス
富士通独自のAImインタビューの技法を活用し、現場のユーザー、あるいは、今後ユーザーになる人々から真のユーザーニーズを導出。AImインタビューは、個人や組織がもつ価値観や理想像、問題意識などを構造化し、中長期的なビジネスコンセプトをデザインするための定性調査技法で、富士通研究所が開発した。ユーザー、あるいは今後ユーザーとなる人々へのインタビューで活用され、現場の理想的な働き方や潜在的なユーザーニーズを導出する。

AImインタビューの成果物のサンプル
(2)形成プロセス
顧客のプロジェクトオーナーと富士通グループのSEおよびデザイナーでワークショップを行い、カスタマージャーニーマップを作りながら、抽出プロセスで導出したユーザーニーズから、UXのコンセプトを文書化する。さらに、UXのコンセプトを実現するための検討を行い具体的な仕様書を作成。
(3)体感プロセス
富士通グループのSEとデザイナーがプロトタイプを作成し、現場のユーザーと顧客のプロジェクトオーナー、システムオーナーに体感してもらい、評価結果を反映し、UXのコンセプトをブラッシュアップする。
(4)「HAB-YU platform」の活用
本サービスでは、日常の環境とは異なる開放感の溢れる場所として、富士通デザインが2014年9月にオープンした「HAB-YU platform」を活用。この場にユーザーやプロジェクトオーナー、システムオーナーなどの関係者が集い、同等な立場で自由に意見を出し合うワークショップを行うことで、アイデアの発想を促しプロジェクト関係者間の合意を形成する。
HAB-YU platformは、あらゆる人々の共創による新たな価値づくりや、さまざまな課題の発見と解決に取り組む場として整備された場所であり、効果的なワークショップを実現するための、以下のようなツールなどが用意されている。
- 初めて会う参加者同士、上司と部下などの間の緊張を解きほぐすツール
- ICTの活用アイデアを促す各種のツール。例えば、富士通デザインが開発した、ICT技術ごとに機能概要、活用シーン、メリットを1枚のカードにまとめた、アイデアやノウハウカード