ゴム押出成形メーカーの三浦ゴム製作所は、全従業員25人で利用するグループウェアとして「サイボウズ Office on cybozu.com」を導入した。同サービスの簡易データベース機能「カスタムアプリ」を使ってオリジナルの「在庫管理アプリ」と「クレーム管理アプリ」を作成し、商品の入出荷や生産の段取りの管理、納品先からのクレーム情報の蓄積と集約に活用している。
三浦ゴム製作所 代表取締役社長の三浦広之氏(右)、業務グループ 主任の金田一徹氏(左)
サイボウズ Officeは、5ユーザーから使えるSaaS型のグループウェア。スケジュール共有や設備予約、ファイル管理、グループ内メッセージ、ワークフローなどの機能を提供する。
しかしながら、三浦ゴム製作所が同サービスを採用した決め手は、スケジュール共有などのいわゆるグループウェア機能ではなく、データベースと連携する業務アプリケーションをカスタム開発できる点だったという。
代表取締役社長の三浦広之氏は、「25人程度の会社で、営業回りもルーティンが多いため、グループウェアでスケジュールを共有する必要性を感じていなかった。これまでグループウェアの提案を受けても導入に至らなかったが、サイボウズ Officeには在庫管理のためのアプリを、自社の業務に合わせて作成できる機能があることを知り、今回改めて導入を検討した」と話す。
カスタムアプリ機能を使うと、テンプレートに項目を追加、削除するやり方で、データベースと連携する業務アプリをカスタム開発できる。三浦ゴム製作所では、三浦氏と業務グループ 主任の金田一徹氏で、サイボウズ Office上に在庫管理アプリとクレーム管理アプリを作成した。
三浦ゴム製作所は、東京都葛飾区の本社、茨城県の「つくば工場」、大阪営業所の拠点を構えており、商品在庫は主につくば工場で保管している。「以前は、顧客から注文が入った際、本社からつくば工場へいちいち電話をかけて在庫状況を確認していました」(金田一氏)

カスタムアプリ機能を活用してオリジナル開発した「クレーム管理アプリ」
在庫管理アプリによって、在庫状況がリアルタムに確認できるようになり、顧客を待たせることがなくなった。加えて、これまで「在庫が減ってきたように見えたら製造する」という曖昧な運用だったものが、実際の在庫数をもとに本社側から生産のタイミングをコントロールできるようになった。
また、クレーム管理アプリを利用することで、クレーム報告のクオリティが統一された。「報告書の項目を自分でカスタマイズできるので、経営者が“このようにクレームを報告してほしい”という形に、業務を統制できる」(三浦氏)

「クレーム管理アプリ」
カスタムアプリを目的にグループウェアを導入した同社だが、「不要だと思っていたスケジュール共有機能やグループ内メッセージ機能も、使ってみたら便利なものだった」(金田一氏)。特に、グループ内メッセージは社外への誤送信が無い安心感、取り急ぎ「いいね」ボタンで了解の意思を伝えられる点など、メールにはない便利さを実感しているという。