データは種類に加えて「状態」が鍵
企業内外のデータの入手方法と同様に意識したいのが、それら各種データの「状態」だ。同じデータであっても、状況によって状態が変化するので、活用する際にはそれを踏まえて使いこなす必要がある。ここでは、「固定」「流動」という視点で、簡単な例をあげながらそれぞれの状態をみてみたい。
流動→固定の例
大きな事件があると連日ニュースで報道されるものだが、そのニュースの情報は報道されている間(解決される前)はリアルタイムデータ、すなわち流動データだが、いったん解決すると、歴史的事実としてヒストリカルデータ、すなわち固定データに変化する。例えば、データ活用で使うソーシャルデータも、タイムリーな内容で賑わいを見せている間は流動データだが、落ち着いてくると、まとまった固定データとして扱われるようになる。
固定→流動の例
旅先の写真は、瞬間を切り取った「写真」という意味ではヒストリカルデータ(固定データ)だが、それをSNSに投稿したり友人とのメッセージ交換に添付した瞬間に、リアルタイムデータ(流動データ)に変化する。
ここでは「流動」と「固定」、「リアルタイム」と「ヒストリカル」という表現を使ったが、これ以外にも「フロー」と「ストック」という視点もある。このように状態のイメージを膨らませると、データの使い方はさまざまな広がりを見せる。
逆に一つのデータを「どのような状態として扱っているのか」あるいは「どのような状態として分析したいのか」を明確にしておかないと、正確なデータ活用が行われず、ミスリードな結果に振り回されることになるから要注意だ。