目標として設定するべき指標(KPI)は何を設定するべきか。例えば顧客購買行動のKPIだと、以下のようなものが挙げられる。
- 年齢別の購買者数推移(例:若い顧客が増えているのか減っているのか)
- 購入額別の購買者推移(例:高額購入する顧客数が増えているか)
- 初回購入年度別の購買者推移(例:新しい顧客が増えているか)
KPIを策定する上で重要なのは、「何で分解し、トレンドを見ると、示唆が得られるのか」を意識することだ。情シス担当者が実施した基礎集計で得られた結果をうまく反映したい。可視化した後、目的を決め、本格的に分析に取り組む。
ここまでに、情シス部門はマーケティング部門から定性的な情報をできるだけ吸収しておきたい。分析を行った結果、示唆が得られ改善施策につなげることができたら、連携は大成功だ。
また、データ分析から示唆を得るうえで、定量情報と定性情報のバランスはとても重要だ。例えば、とある商品が季節要因で夏に売り上げが下がることが定性情報としてわかっていたとする。そこに、なぜ売り上げが下がったのかの理由を考察するための定量情報を出そうとしても無駄であろう。情シスは常に定性情報をマーケティング部門から仕入れ、より価値があるデータ分析を実施したい。
まとめ
- 情シスは、データを柔軟に取り扱うことができる点で、データ分析に最適な部門である
- マーケティング部門と連携し、顧客を知ることができる「顧客行動の分析」をお勧めしたい
- 連携は、組織がよりよい意思決定を行うためのものである。両部門間でコミュニケーションを深め、定量情報と定性情報を踏まえてデータ分析を実施する体制を築き上げたい
第2回は、分析組織としてカバーしておきたいツールや、言語、環境についてご紹介をする予定だ。
- 中原 誠(DATUM STUDIO株式会社 データアナリスト リーダー)
- データ分析を切り口に、ビジネスを前進へと導くグロスハッカー。株式会社コロプラにてマーケティング業務を担当し、広告出稿、効果測定などに従事。株式会社ドリコムにて、グロスハックをテーマに、ソーシャルゲーム、およびメディアのデータ分析業務に従事。現在、データアナリストとして、多種多様な業種の企業のデータ分析活用支援に従事。データ分析を通して社会を豊かにすべく、がんばっている。