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日本のPaaSベンダーは顧客との距離が近い--パイプドビッツCTOの林氏

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-07-02 11:00

 「情報資産の銀行」をビジョンに掲げ、情報資産のプラットフォームを展開するパイプドビッツ。さらに、さまざまなアプリを作れる開発や運用の環境を提供するPaaS「SPIRAL」により、多彩な業界に特化したサービスも提供している。今回は、同社の最高技術責任者(CTO)である林哲也氏、政治や選挙情報を扱う情報サイト「政治山」を担当する執行役員である高橋伸氏に、同社の取り組みや特徴、戦略などを聞いた。

――パイプドビッツはどのような事業を持っているか。


最高技術責任者(CTO)林哲也氏

林氏 「情報資産の銀行」というビジネスコンセプトが、多岐にわたる事業のコアだと思っています。まず、クラウド上で顧客の情報資産を安全に預かり、活用するようなサービスを提供しています。具体的には、データを入れる場所を提供するサービスで、データを簡単に、そして安全に出し入れする機能をウェブで提供しています。

 また、ウェブアプリケーションを開発するためのPaaS、SPIRALも提供しています。通常、ウェブアプリケーションは、フォームの機能や一覧を表示する機能など、ウェブの部品を組み合わせて作ります。しかし、そのためにはプログラミングの知識や開発スキル、あるいは安全にデータを入出力するためには、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションといったセキュリティの知識が必要になります。

 パイプドビッツでは、そういった機能をライブラリ化して、ウェブのパーツを組み合わせ、それをウェブの管理画面から設定することで、いろいろなアプリを作れる開発環境と運用環境を提供しています。プログラマーでなくても、例えば業務部門の担当者でもアプリを作れる環境をPaaSとして提供しています。それがSPIRALです。

 ただ、SPIRALは汎用的なプラットフォームなので、業界ごとに事業部を作って対応しています。顧客の事業をよく知っている営業、サポートメンバーなど業界に特化したチームが課題に対応し、設定からカスタマイズまでアプリケーション開発をワンセットにして製品やサービスを提供しています。

 とはいえ、キャンペーン管理やセミナー管理、メルマガなど、顧客に共通する項目も多くあり、そこはパッケージして提供することもできます。また、業界ごとに特化したサービスの提案も行っています。例えば医療業界なら、医薬品を共同購入することで仕入れを割安でできる「JoyPla(ジョイプラ)」というサービスなどを提供します。

 まとめますと、「情報資産の銀行」としてのクラウドのデータベース、いろいろなウェブアプリを開発しやすいPaaS、パッケージ化したSaaS、それに業界ごとのソリューション。そういう構成でビジネスをしている会社です。

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