ストレージ以外も売っていく--ネットアップ、新年度の事業戦略を解説

大河原克行 2015年06月30日 17時20分

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 ネットアップは6月30日、5月からスタートした2016年度の事業戦略を説明。代表取締役社長の岩上純一氏は、「クラウド時代のオールラウンダーを目指し、データマネジメントといえばネットアップといわれるポジションを目指す」と語った。

 岩上氏はまた「現在、日本法人の売上高に対するコミットはない。あるのはポートフォリオセリングの指標であり、今年度はこれをしっかりやる。ストレージ以外のものを売っていく」などと述べた。

 クラウド連携ソリューションの拡充、顧客のシステムコスト削減の提案、タイムトゥマーケットの短縮、柔軟性と堅牢性の両立、オープンなプラットフォームの推進、高水準なシステム管理の提供を通じて、「お客様の次世代エンタープライズアーキテクチャを実現。常に革新的かつ実装性の高い技術をもって、お客様の成功を支えるトラステッドアドバイザーになる」と述べた。

岩上純一氏
ネットアップ 代表取締役社長 岩上純一氏
近藤正孝氏
ネットアップ 執行役員 CTO 近藤正孝氏

 「フラッシュストレージに強いといったような特定領域の強みを発揮するのではなく、顧客の事業貢献につなげられる提案をすることが大切だと考えている。それがオールラウンダーとしての役割となる。ネットアップは、国内ストレージ市場では約10%のシェアだが、(ストレージ仮想化ソフトウェア)“FlexArray”を活用すれば、他社製ストレージもそのまま活用でき、システムコストも削減できる。米国ではホワイトボックスの構成比が約6割。日本では約2割を占めており、これは今後拡大するだろう。こうした動きをとらえて経営していく。ネットアップは、5年後にはストレージを販売していないかもしれない」(岩上氏)

 執行役員で最高技術責任者(CTO)の近藤正孝氏は、「EMCや日立、ホワイトボックスを含めた他社ストレージも管理できるソフトウェア定義ストレージ(Software Defined Storage:SDS)の機能を兼ね備えたのが(同社の専用OS)“clustered Data ONTAP”であり、ここに当社の強みが発揮できる」とした。

 2016年度は、国内体制の強化にも取り組む計画を示し、13人体制でのハイブリッドクラウド推進組織の設置、6人体制のデータセンターアーキテクトの配置、営業SEを20%増員することを明らかにした。

 3月10日から東京・京橋の新オフィスに移転したことにあわせて、Customer Briefing Centerの開設や検証センターの増設、トレーニングセンターの常設で「顧客向けの施設は1.7倍に拡大し、ほぼすべての製品を取り揃えることができている。顧客向け施設が本格稼働したのは4月以降だが、この2カ月で32社90人が訪れている」と語った。

クラウド前提でアプリケーションを開発する流れ

 また、市場動向についても解説。岩上氏は「クラウドを利用することを前提にしてアプリケーションを開発するクラウドネイティブの流れがある。大手企業でも、基幹系を含めてクラウドを前提としてシステム構築を検討する流れが出ている」と語った。

 「そうしたなかで、ネットアップは、革新的であり、実装性の高い技術を提供し、DASからスタートした大手ストレージベンダーにも対抗している。ネットアップはもともとストレージ単体の仮想化からスタートし、ストレージシステムの仮想化へ取り組み、2015年以降はクラウドそのものを仮想化していくことになる。ユーザビリティや利便性に対する要求にも応えることができるプラットフォームを作ることが大切である」(岩上氏)

 グローバルでの実績についても説明。2015年4月までにペタバイトクラスのフラッシュシステムを180以上に、ハイブリッドアレイの販売システム数が7万5000以上、オールフラッシュアレイの販売システム数が4000に達しているほか、2014年上半期でのオールフラッシュとハイブリッドの合計販売数ではシェア2位であること、オープンネットワークストレージOS市場でclustered Data ONTAPが世界トップシェアになったことを示した。

 「2016年度がスタートして、すでに2カ月を経過しているが、この2カ月間の実績は前年同期比14.5%の成長を遂げており、円ベースに換算すると、22%増になっている」(岩上氏)

 日本での成長については、「過去3年間の国内売上高は2.1倍になり、社員は225人へと拡大。3月に京橋にオフィスを移転して1.7倍に広がった。ストレージベンダーとしての国内評価ではリーダーに、働きがいがある会社としては5年連続でベスト10にランクインした」と、これまでの取り組みを総括した。

 日本市場ではクラウドプロバイダー向けのビジネス構成比は22%。残りがエンタープライズ向けだという。また、エンタープライズ向けのうち、55%がラージエンタープライズ、45%がミッドスモールエンタープライズで、「これは従業員規模や売り上げ規模で分類しているのではなく、ストレージ予算の規模で分類している」と、エンタープライズ層で独自の区分けを活用していることも示した。

 最近の主な導入実績にも言及。コニカミノルタがデータバックアップアプライアンス「NetApp AltaVault」とAmazon Web Services(AWS)の活用でクラウドとオンプレミスの両環境間で高速でデータをバックアップできる環境を実現している。

 オーイーシーが大分県内の自治体が使用するIaaS基盤に垂直統合型システム「FlexPod」を採用。マイナンバー制度の導入に向けたシステム整備にも活用するという。また、ヤフーが、IaaS環境構築管理ソフトウェア「OpenStack」と連携にいち早く対応したというclustered Data ONTAPを導入。ネットアップのストレージとの組み合わせで5万台の仮想マシンを視野に入れた拡張計画を進行していると説明した。

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