IDC Japanは7月2日、国内IT市場産業分野別、企業規模別の2015~2019年の市場規模予測について発表した。2014年は多くの産業でIT支出が伸び、全体で前年比成長率は2.4%増、2015年は0.5%減の14兆6435億円と予測する。
前年の反動減を予測する2015年の国内IT市場を企業規模別にみると、従業員規模1000人以上の大企業は、銀行での大型案件や、円安の影響で業績が好調な製造業でのシステム案件が後押しし、前年比成長率0.4%増とプラス成長を維持するが、その他の企業規模ではいずれもマイナス成長とみる。
1~99人の小規模企業が前年比成長率2.0%減、100~499人中小企業が同0.7%減、500~999人の中堅企業が同0.1%減であり、企業規模が小さくなるほど短期的にIT支出が抑制されるとした。しかし、各企業規模の2014~2019年の年間平均成長率(CAGR)は、小規模企業が1.4%、中小企業が1.4%、中堅企業が1.5%、大企業が1.6%を予測し、中長期的にはいずれの規模でもIT支出が堅調に推移すると予測した。
2015年のクラウドやモバイル、ソーシャルなど“第3のプラットフォーム”市場は6.0%増、クライアント/サーバシステムを指す第2のプラットフォーム市場は4.4%減のマイナス成長を予測し、国内IT市場の構造変化は予測期間中も継続し、第3のプラットフォーム市場の2013~2018年のCAGRは5.6%で拡大し、第2のプラットフォーム市場は2.6%減で縮小に向かうと予測している。
ユーザー企業調査結果からは、まず大企業を中心に第3のプラットフォームを導入し、徐々に中堅、中小へと浸透していく構図が見られたという。特にソーシャルメディアやモバイルの利用は小規模企業や中小企業においても進んでいることが調査で明らかになったとした。また、利用率はまだ低いものの、自社の産業分野に固有の領域で、第3のプラットフォームが支えるテクノロジの活用が広がりつつあると説明している。
2014~2019年 国内IT市場 企業規模別支出額予測(IDC提供)