サークルKサンクスは、コンビニエンスストアの立地評価分析にデータマイニングソフトウェアを採用、地理情報を分析に活用し、高精度な店舗の立地評価モデルを構築したという。日本IBMが7月1日に発表した。
コンビニは日常生活に欠かせない身近なショップとして定着している一方、国内の店舗数は約5万2000店超と、各チェーンの競争が激しさを増している。サークルKサンクスは、市場環境の変化に対して、的確な出店を図り、自社チェーンの優位性を高めるため、客観的な数値に裏付けられた判断力が重要ととらえ、地理情報システム(GIS)を活用した立地評価に取り組んでいる。
店鋪の立地評価では、出店ポイントの確定後、そのポイントをGISに入力し、マーケティング分析や商圏作成をし、最終的に立地を評価している。しかし、分析モデルが導き出した評価結果がビジネス現場の感覚と乖離してしまうという課題があった。
これに対しサークルKサンクスは、「IBM SPSS Modeler」を採用、GISから得られた結果を分析する基盤として活用を開始した。SPSS Modelerは、CSVなどの多様な形式のデータを容易に取り込めること、データの作成や加工の手軽さ、ノンプログラミングでモデリングできるという。また、分析結果の有効性や有意性などを把握できることで、ビジネスを支援するとしている。
SPSS Modelerを活用して現場の経験から得られた知見について、数値的な裏付けとして駐車場や間口の広さといったインプットとなるデータと売り上げなどの結果となるデータを集計して取り入れるなど、精度を上げるために調査項目とモデルの見直しを継続しているという。
GISの調査項目では、本来の目的である地理情報に加えて、作成した商圏の人口動態や就業者数などの統計データ、店舗のさまざまな機能、人や自動車の交通量のバランス、開店した店舗の周辺環境などを確認するなど、データ内容を精査し、立地評価の分析精度を高めるための取り組みを開始している。また、必要に応じて研究会を開催し、現場の担当者や部門長などから意見を募り、GISの活用を通じて培ったノウハウや知見を共有することで、分析モデルの構築とリモデルに取り組んでいる。
サークルKサンクスでは、立地評価モデルに加えて、新しいアプローチから物件を評価するマニュアルを整備、出店後の店舗を客観的に検証できる検証ツールなどを導入して、さまざまな視点から店舗を評価することで総合的な立地評価をさらに推進していくとしている。