企業向けクラウドストレージ5種を比較 - (page 2)

Mary Shacklett (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-07-07 06:15

Google Cloud Storage

 Amazonと同じように、Googleは社内用のクラウドベース技術を、企業向けのスケーラブルなパブリッククラウドサービスとして商用化している。Googleは「Google Cloud Storage」を、アプリケーション開発プラットフォームである「Google App Engine」や仮想マシンを提供する「Google Compute Engine」、ビッグデータ用のアナリティクスツールである「BigQuery」と合わせて提供している。

 Google Cloudは、高速アクセスが可能な標準的なストレージ、コールドストレージ(GoogleはこれをDurable Reduced Availability(DRA)ストレージと呼んでいる)、さらにコールドストレージデータのより高速な取得が可能な、コールドストレージへのニアラインアクセスというオプションを提供している。企業はこれらのクラウドベースストレージのオプションのいずれかを設定できる。

 Googleはまた、企業のエンドユーザーに、データストレージの一元管理と、プロジェクトや文書管理における共同作業の機会も提供している。これは以前からGoogleの強みだったものの、企業のIT部門におけるGoogleストレージ採用のペースはやや遅かった。

 Googleの価格設定は、1カ月1Gバイト単位の使用量に基づいたモデルになっている。

 Google Cloud Storageが最も適しているのは、文書保存や、プロジェクト管理および共同作業といった、エンドユーザーとなる企業の管理分野である。

Rackspace

 高性能ストレージへのニーズに注力しているRackspaceは、同社のクラウドサーバでホストされたアプリケーション向けのオンデマンド型ストレージ「Cloud Block Storage」を提供している。高性能ストレージへのニーズに応えるため、Cloud Block Storageは、高いI/O能力を提供し、ハードドライブとソリッドステート技術の両方を使用している。

 Rackspaceの自慢できる部分は、OpenStackソフトウェアへのコミットメントだ。OpenStackは、パブリッククラウドとプライベートクラウドで、クラウドコンピューティングプラットフォームを作成および管理するのに最適なソフトウェアだ。OpenStack Foundationのメンバーには、Dell、IBM、Hewlett-Packard(HP)、Red Hat、Cisco、VMwareなどが含まれる。

 Rackspaceのパブリッククラウドストレージもまた、OpenStackをベースとする企業向けのオンプレミスクラウドとうまく連携している。これによって、OpenStack環境を使用する企業は、自社のオンプレミスとクラウドベースのストレージ向けに、ハイブリッドのストレージ環境ソリューションを容易に作り出すことができる。

 価格設定は、1カ月1Gバイト単位の使用量に基づいたモデルとなっている。

 OpenStackアーキテクチャに取り組んでおり、自社のミッションクリティカルなアプリケーションとストレージをオンプレミスとクラウドで動かすという、2つの目標を持つ企業にRackspaceは最も適している。

Dropbox

 Dropboxのストレージサービスは、WindowsとLinuxの技術を使っており、企業のエンドユーザーをターゲットとしている。このクラウドベースのストレージサービスでは、WindowsやLinux、「Android」「Mac」「iPhone」といったデスクトップおよびモバイルデバイスにある、ほぼ全ての文書や画像を保存することができる。

 Dropboxは、直感的なユーザーインターフェースを採用しており、どこからでもそのクラウドにアクセスできる。その強みは、文書や、プロジェクトの共同作業、写真、グラフィックスファイルを必要に応じてストレージできるということだ。このクラウド上では、AESおよびSSLでの256ビット暗号化を行った、セキュアな環境で簡単にファイルを共有できる。Dropboxストレージは、「Word」「Excel」「Photoshop」「Acrobat」「Cisco WebEx」「DocuSign」など、30万種類以上のエンドユーザー向けコンピューティングアプリとも連携している。IBM、Dell、Splunkなどのパートナーが提供するストレージ管理およびセキュリティのためのアドオンをDropbox経由で利用できる。

 「Dropbox for Business」は、最低料金が1カ月15ドルで、5人以上のユーザー登録が必要だ。ストレージ容量は1ユーザーあたり1テラバイト(1000Gバイト)からである。

 クラウドを文書や写真、グラフィックスの保存、そして共同での会議開催やファイル共有のために使いたいと考えている、エンドユーザーや企業の管理部門にとっては、Dropboxは強力なクラウドストレージの選択肢である。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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