特区でドローンを活用
ドローンと呼ばれる無人飛行ロボットでは、「国家戦略特区」における近未来技術実証の取組推進や、周波数帯の拡張に向けた検討などについても明記されている。
政府は6月29日に国家戦略特区諮問会議を開催し、地方創生特区に秋田県仙北市、宮城県仙台市、愛知の3カ所が指定されたと発表し、秋田県仙北市では10キロ四方の国有林の区域においてドローンが利用される予定だ。
ドローンは、火山監視・遭難救助、動物の行動範囲調査、家畜の行動範囲調査、森林育成調査などの活用が提案されており、航空法による高度制限や、電波法による操縦用の周波数の拡張などについても検証が行われる見込みだ。
一方、ドローンに関しては、撮影によるプライバシーや肖像権などの権利にも配慮をしていく必要がある。総務省は6月29日、ドローンによる撮影映像などをインターネット上で閲覧可能とすることについて考え方を整理し、注意すべき事項を、「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」(案)として取りまとめ、意見を募集している。
ドローンによる撮影行為は、プライバシーや肖像権といった権利を侵害する可能性があり、住宅地にカメラを向けないようにするなど撮影態様に配慮することやプライバシー侵害の可能性がある撮影映像などにぼかしを入れる配慮をするといったように、具体的に注意すべき事項が明記されている。
世界最高水準のIT活用社会へのロボット活用
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)が6月30日に公表した「世界最先端IT国家創造宣言」の改定においても、ロボット関連の取り組みが盛り込まれている。この宣言は、2020年までに世界最高水準のIT活用社会の実現と成果の国際展開を目標としている。
交通分野では、世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現のために、ロボット技術などを活用した超小型モビリティの開発・普及拡大に向けたスマートモビリティの実現に向けた取り組みを進める。
災害分野では、災害に強い社会の実現のために、災害現場に対応した無人や遠隔で操作できる建設ロボット技術の高度化や現場導入を進める。
農業分野においては、農機の自動走行に関する研究開発や導入実証や、農作業の自動化や遠隔監視などの分野でのロボットを導入し、国内だけでなく、海外への普及も視野にいれる。