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東京五輪までに小規模店舗もPCI DSSに準拠を--PCI SSCディレクター - (page 2)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-07-09 13:38

 また今回、日本クレジットカード協会とも会合を持つことができました。こちらではカード会員の情報を保護するデータセキュリティという観点で、今後の課題を取り上げていただいています。こういう課題を出していただくことで、PCI SSCでの対応情報の提供、PCI準拠へ更新された際のサポートが可能になります。現在、企業や組織はいわゆるオムニチャネル化していて、さまざまなチャネルを通じてビジネスや決済の手続きをしています。

 このようにさまざまなチャネルが存在する中で、カード会員のデータをきちんと守っていかなければならないというのが加盟店の課題となっています。経済産業省では、すべてのインターネット、ネットワークでのトランザクションを2018年までに一定の基準に達したものに更新する方針であるといいます。私たちは加盟店の対応を考えたときに、2018年という期限は現実的に可能なものであると考えています。ゆくゆくは普及率100%を目指したいと思います。

――PCI DSSの要求するセキュリティレベルは高く、ごく一般的な店舗まで含めて普及率100%というのは難しいのではないか。

 それは、一部は正しいと思います。1日に何千、何万のトランザクションを扱うような加盟店では、今後PCI DSSを採用していくべきと思います。これは日本だけではなく、世界的にもいえることです。しかし、小規模の加盟店、特にEコマース主体の加盟店でも、リスクは小さくないと考えています。なぜなら、データセキュリティへの理解度がまだまだ低いと考えられるからです。

 ですから、今年はそういった小規模の加盟店に対して、PCI DSSの文言を簡素化するタスクフォースを編成して作業に当たらせています。PCI DSSはすべてのクレジットカードトランザクションにかかわってくるものですから、小規模だから準拠しなくてもよいということがないように、標準としての整合性を保ちながら小規模店舗への対応も進めているところです。

 特に、加盟店の中には対面型の接客をしているところもあります。これらの加盟店に対してセキュリティレベルの自己評価(セルフアセスメント)が可能な「自己評価質問票」を配る際には、質問項目を絞って回答できるように作成しています。また、対面型接客をしていないところでは、別の回答で要件がすべて満たせるようになっています。こういう個々のニーズに対応することは、標準への理解を進める上で非常に重要だと考えています。

――PCI DSSは最近どのようにアップデートされているか。

 PCI DSSには、12のコア要件が定義されています。この要件は、犯罪者から攻撃があるたびに、どういう手段でどこから攻撃を加えたということを解析した上でアップデートしています。また、他の国際標準、たとえばSSLの動向も注視しています。わたしたちはSSLをセキュアなものと評価していましたが、米国国立標準技術研究所(NIST)がSSLの評価をセキュアから「セキュアでない」に引き下げました。


PCI DSS 順守目的と要件

 これを受けて、わたしたちもSSLの評価をこの春に引き下げました。PCI DSSのVer.3.1では、SSLを強力な暗号化というカテゴリから外しておりTLSを後継のプロトコルとして推奨しています。こういった標準の改訂作業は簡単ですが、SSLやTLSといった技術を実装している企業・団体にとっては大きなインパクトになります。そのため1年間の移行期間を設定し、期限を2016年6月30日までとしています。

 また、新しいバージョンの標準をリリースする際には、同時に新しい要件を満たすためのドキュメントも発表しています。また、グローバルな標準であることを意識した設定も行っています。そのほかにも、決済アプリケーションにおける決済アプリケーションでのデータセキュリティ標準も、さまざまな変化に合わせて改訂しています。

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