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東京五輪までに小規模店舗もPCI DSSに準拠を--PCI SSCディレクター - (page 3)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-07-09 13:38

――日本では米国と同様に、EMVの導入が進んでいないが、普及を推進する方法とは。

 プロセスが重要だと思います。実際に磁気カードはカード情報を捕捉できるので、不正利用が可能であるというのは周知の事実です。これを受けて、世界中の銀行で取り扱わないケースが増えています。これは世界的な広がりで、日本でもいずれ古いタイプの磁気カードは使わなくなるでしょう。でないと、世界中の犯罪者に日本が狙われることになります。

 そうなる前に、日本の加盟店に不正件数を減らせるのだというメリットを周知徹底し、EMVに対応したICチップの導入を進めていくということに取り組んでいかなければならないでしょう。また重要なことは、Apple PayやSumsung Payのような新しい決済テクノロジは、EMVベースのシステムが必要になることです。こちらも対応しないと取り残されることになるでしょう。モバイル決済も増えていますし、消費者のニーズもありますので、EMV決済への対応も重要になってくると思います。

 ただ、ヨーロッパと違ってこれから端末を導入するわけですから、最新の技術を使用したもの、競争力のある安価なものを導入できると考えれば、これはメリットであると思います。以前、読み取り装置をプラグインして、PIN入力が可能なデバイスについてPCIの基準に準拠しているかを調査しました。そのときの価格は79ポンド位だったようです。日本円では1万4000円ぐらいでしょうか。ただ、カメラの有無などで価格には幅があるようです。

――サイバー攻撃がまずます高度で巧妙になっているが、PCI SSCとしてどのように対応していくのか。

 攻撃者のスキルが向上していることは同意見ですが、われわれのフォレンジックアセスメントでの調査によれば、75%以上の事例で使用された攻撃は非常にシンプルだったとのことです。逆に言えば、自分自身を防御する際にもシンプルな方法で対応可能な事例が多いということです。たとえば、過去4年間でもっとも多く使用されたパスワードは"Password1"であるといいます。それは、パスワード設定についての教育を行うだけで、大幅に改善するということでもあります。

 また、スピアフィッシングという攻撃手法を多用して個人情報を獲得しようとしています。イギリスの企業で行われた実験では、自分に送られてきたスピアフィッシングメールに対して、54%の社員が引っかかってしまいました。このスピアフィッシングではメールのURLをクリックするだけで、犯罪者はその会社のシステムに侵入可能になります。

 これらを踏まえれば、セキュリティポリシーを明確に設定し、パスワードを適切に扱うことやフィッシング対応などの社員教育を徹底するだけで、多くのサイバー攻撃を防御できる可能性があります。最近の米国の事例では、攻撃者が第三者のネットワークを踏み台にして、脆弱であった脆弱であったクレジットカード会社のネットワークから情報を盗み出したということがありました。テクノロジやプロセス、トレーニングを適切にすることで、実に70%以上の攻撃を防御できます。これは全世界で共通する事実です。そして、残りの30%に対応するのがPCI DSSです。PCI DSSに準拠することで、データを盗まれない、盗まれても使えないことが実現できます。犯罪者は効率性を重視していますから、ちょっと攻撃してみて防御が強固であったら、すぐ次の攻撃対象に向かうという側面があります。

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