Amazon Web Services(AWS)は米国時間7月13日、ノースカロライナ州に新しい風力発電施設を建設する計画を発表した。現在と未来のデータセンターの電力をまかなうことが目的だという。
AWSはIberdrola Renewablesと協力して、ノースカロライナ州の2つの郡にまたがる風力発電施設の建設と管理を行う。Iberdrola Renewablesは、スペインの多国籍電力公益企業Iberdrolaの米国における再生可能エネルギー部門だ。
この風力発電施設は2016年12月に稼働開始の見込みで、発電能力は208メガワット。当初は67万MWhの風力発電を提供する予定で、米国6万1000世帯以上の年間電力使用量に相当するという。
「Amazon Wind Farm US East」と呼ばれるこの施設は、同州初の電力企業規模の風力発電施設となる。
AWSは以前、インディアナ州での風力発電施設の計画を発表しているほか、バージニア州の太陽光発電施設やTeslaのエネルギーストレージバッテリを使用した試験プログラムなど、さまざまな再生可能エネルギープロジェクトに関わっている。
AWSは2016年末までに全世界での再生可能エネルギーの割合を40%に引き上げる目標を掲げており、この風力発電施設の新設により、目標を上回るペースを維持できるという。Amazon Web Servicesのインフラストラクチャ担当バイスプレジデントであるJerry Hunter氏は、この点を今回の発表で強調した。
Hunter氏は事前に用意された声明の中で、「目標達成にはほど遠い」と認めている。「これからも、AWSデータセンターの動力源であるさまざまなエネルギーグリッドにクリーンエネルギーを供給するプロジェクトを進めていくつもりだ。引き続き電力企業と協力して各社の再生可能エネルギーの比率を高めるとともに、政府のパートナーに強く働きかけて、税制優遇措置の拡大を図っていく。これにより、再生可能エネルギープロジェクトの成功の可能性がさらに高まるだろう」(Hunter氏)
風力発電はクラウドやデータセンターといった分野で脚光を浴びつつあり、設計や建設に関連する注目度の高いプロジェクトが多数進行中だ。
Facebookは先週、米国内で4番目(世界では5番目)となる自社データセンターをテキサス州に建設する計画を明らかにした。このデータセンターに電力を供給する新しい風力発電施設は、フォートワースのデータセンターから90マイル(約145km)離れた場所に、Citigroup Energy、Alterra Power Corporation、Starwood Energy Groupと共同で建設される。
フォートワースのデータセンターの冷却には、空調装置の代わりに外気も利用される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。