#5:NoSQL
大企業における(特にデータベース分野を対象とした)大規模ストレージの取り扱いを知りたいのであれば、NoSQL系の、スケーラビリティの高いインメモリデータベースに目を向けてほしい。NoSQLを使えば、コモディティとなっているx86ハードウェアのクラスタを構築しておき、マシンを追加するだけで高いスケーラビリティを実現できるようになる。また、NoSQLデータベースでは、あらかじめ(データを管理する上で特殊な手法を必要とする)スキーマを定義しておく必要もない。
NoSQLデータベースを用いたソリューションには、大企業におけるコンピューティングニーズ、すなわち構造化/半構造化/非構造化を組み合わせた膨大な量のデータ処理や、頻繁なコードの追加/変更、オブジェクト指向プログラミングに適応できるというメリットがある。つまり、効率的かつ柔軟であり、価格が手頃なアーキテクチャというわけだ。
#6:安価な導入/維持コスト
オープンソース製品を導入すれば、コストが削減できるというのは分かっているはずだ。自らでソリューションを作り上げるとしても、大企業であれば社内にプログラマーを抱えている、すなわち給与を支払っている従業員がいるはずだ。また、そのソリューションを作り上げた担当者こそが最も詳しい人材となるため、ソリューションが実現し、運用に入った暁には、サードパーティーにサポート料金を支払う必要もない。ストレージのコストを低く抑えるうえで、フリーソフトウェアの採用と、社内でのサポートを超える優れた方法などないはずだ。
#7:高いスケーラビリティ
そもそもスケーラビリティとは何だろうか。大企業のニーズを満たせる、オープンソースのストレージソリューションのほとんどはスケーラビリティを有している。より多くの処理能力や容量が必要になった際には、ハードウェアを追加するだけでよい。Linux(そしてオープンソース)はクラスタ化に適している。コモディティとなっている安価なハードウェアを使えば、中規模のプロプライエタリなソリューションよりもはるかに安価なコストで、大規模ストレージソリューションを構築することもできる。また、オープンソース/Linuxのクラスタにおけるハードウェアの追加は、システムを停止させる必要がないため、日常業務に影響を及ぼしたりもしない。
#8:高い柔軟性
ストレージに関する意思決定は極めて重要であるため、何が最適で、どのように配備するのが良いかを他の会社から指示される必要はない。本当に必要なのはオープンソースでしか実現できない柔軟性を追求することだ。オープンソースの持つ性質により、あるソリューションを実現して稼働にこぎつけた後、そのソリューションで気に入らない点があったとしても、変更が可能だ。該当部分を自らのニーズに合うように変更し、再配備すればよい。とても簡単だ。