インドネシア市場をねらえ

知っているから、そこにあるから買う--インドネシアの消費財業界 - (page 3)

高澤まなか(アクセンチュア)

2015-07-17 07:00

 同時に、小売店での店頭キャンペーンやイベントへの協賛も一般的な認知向上手段になっている。インドネシアの小売形態には、いわゆる家族経営の小規模店舗である「ワルン」を中心にした伝統小売りと、ハイパーマーケットやスーパーマーケットなどの近代小売りの二つがあり、Consuming Classも両方利用している。


図2 インドネシアの食料品流通 インドネシアでは、食料品の80%以上が、ワルン等の昔ながらの個人経営の店舗(伝統小売店舗)を通して販売されている(Euromonitor International 2013)

 日本でもコンビニなどでは店頭が宣伝媒体として機能しているが、インドネシアでも同様に消費者からの認知をあげるにあたり、スーパーマーケットやワルンの店頭でキャンペーンを展開することで、店舗を広告メディアとして活用している。

 インドネシアではいまだ伝統小売市場が大きく、市場の売上全体の80%を占めており、全国で260万件程度のワルンがあるといわれている。数千の島々にワルンが散在しており、各地域で大小の卸がワルンまでの流通を担っているため、商品のブランド認知を高められたとしても、インドネシア全体で顧客に商品が届く状態にするということは容易ではない。

 例えば、インドネシアは全体の約6割の人口がジャワ島に住んでいるため、そこにまず資本を投下してネットワークを築くというのもひとつの方法だ。また、ターゲット顧客がConsuming Classの中でもより富裕な層であれば、思い切って近代小売市場や高級レストランだけをターゲットにすることもできる。例えば、茶飲料の中では日本のポッカは値段も他の茶飲料よりも3~5割ほど高い値段設定で、近代小売店舗と高級レストランで販売をしている。

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