――ビジネスモデルとしては、どのようなものを想定しているか。
LeStage氏 ビジネス化はこれからですが、3つのことが考えられると思います。ひとつは広告バナーによる収益。これは単にページに貼り付けるものだけでなく、ストリームの広告も考えられます。例えば、雪の日には雪かき用のシャベルの広告をタイムライン上に表示するようなものです。2つ目はデータを集めて企業向けに販売する。3つ目は、自分の気分を天気とともに伝える「ムード」の絵文字の中にコカコーラがあるのですが、たとえばスポンサーがお金を払って絵文字の中に商品のイラストを入れるようなビジネスモデルです。ただ、広告を開始するにはユーザー数がまだ少ないので、まだ早いと考えています。
Weathermobで自分の気分を天気とともに伝える「ムード」
――Weathermobを買収した理由は。
石橋氏 ウェザーニューズのアプリは、ブランド的にも市場のポジショニングとしても、FacebookやTwitterのように誰でも使うというようなものではありません。ユーザーの2~3%の非常にコアな人たちが天気をレポートしてもらうスタイルです。そういった数%の献身的なユーザーが、それ以外の大多数のユーザーの天気予報を支えているようなバランスです。
ビジネスモデルとしてはフリーミアムというものですが、数%のユーザーがお金を払っていて、それ以外の人は無料で利用している構造は同様です。Weathermobのユーザー10万人というと米国の人口から考えればわずかな比率ですが、非常にコアな、マニアックな気象好きが10万人集まっているのですから、これをいちから集めるとなったら大変でしょう。われわれにとって、世界中の気象好きな人たち、熱心にレポートしてくれる人たちは非常に価値が高く、Weathermobの10万人が提供するデータは宝の山です。これから世界でビジネスを展開する上で、そういったコアなユーザーを味方につけないとビジネスも進まないということです。そういう意味で、Weathermobの買収は大きな意義があると思います。
――いま注力していることは。
LeStage氏 コンテンツにおいてユーザーが好きな部分、嫌いな部分というものを把握することを重視しています。そのためにセッション時間などをみながら、アプリを調整しています。そうしてコンテンツをブラッシュアップしていくことによって、信頼できる人やヘビーユーザーを呼び込むことに注力しました。
――ウェザーニューズでは、ソーシャル天気サービスのKPIをどこに設定してるのか。
石橋氏 ひとつの目安としているのは、1人あたりのレポートの数です。ゴールとしては、たとえば世界に2万9000くらいの観測機があったとして、10万件のレポートがあれば、観測機のすき間を埋めることができます。そういった、レポートの密度は注意してみています。それがある意味ではビジネス的なKPIとしています。