海外コメンタリー

ナデラCEOに聞くマイクロソフトの未来図(前編)--モバイル再考と攻めの「Windows 10」 - (page 2)

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-07-21 06:00

 この世界で、われわれには3つの大きな野望があります(生産性とビジネスプロセスの改革、インテリジェントクラウドの構築、よりパーソナルなコンピューティング)。もちろん、それらは現在ある実際の製品に根ざしています。しかし、同時にわれわれが現在提供しているものや今日のブランド名を超越してもいます。われわれがどこに進もうとしているのか。それが今朝の基調講演の主題であり、私が現在注力していることです。

--私が話したかったことの1つがまさにそれに関することです。8日の発表を受けて、私が話を聞いた多くの人(パートナーや顧客)は、モバイル分野でのあなたの展望について、本当に心配しています。特定の技術と自分たちが次にやることを混同しない、とあなたは先ほどおっしゃいました。それでは、MicrosoftがWindows Phoneの生産台数を削減することは、モバイル市場から撤退することを意味するのでしょうか。

 そんなことは全くありません。非常に率直に言って、大切なのは、今起きていることをどのように見るか、ということだと思います。私は今でも非常に広い意味でモバイルのチャンスが存在すると考えています。今後、そのチャンスはより大きなものになるでしょう。

 まず、私はすべてのモバイルのエンドポイントで存在感を発揮したいと考えています。それはとても明白な中核的目標です。20億台の端末のすべてにMicrosoftのアプリケーションエンドポイントを設ける、つまり「Skype」や「Outlook」「Wunderlist」「Sunrise」を普及させるという概念(だけ)ではありません。われわれはMicrosoftの体験を提供したいのです。なぜなら、私にとってはそれがプラットフォーム戦略だからです。それらが単なるアプリケーションエンドポイントだ、ということではありません。それらのアプリケーションの裏側には何があると思いますか。「One Cloud」です。消費者向け、またはエンタープライズ向けの「Office 365」なのです。そこでは、「Microsoft Account」(MSA)が使われます。

 したがって、私にとっては、MicrosoftのOSをOSの古い定義よりも幅広く考えることが非常に重要です。われわれはすべての端末にアプリケーションエンドポイントを持つことだけでなく、すべての端末に入り込むことを望んでいます。ID管理も必要です。MSAだけでなく、「Azure Active Directory」もあります。これがそうした端末を管理し、データ保護という点で、端末のセキュリティを確保しています。これらはすべて当社が提供している中核的な機能です。

 それに加えて、素晴らしい構成要素の1つとなっているのが、「Windows」には、「Mac OS」と「iOS」のような問題がないことだと思います。Mac OSをiOSに、またはiOSをMac OSに複製しよう、と言いたいのではありません。われわれは、「Chrome」と「Android」のような関係のOSを持ちません。「Raspberry Pi」からHoloLensまで、すべてがWindowsなのです。今日、HoloLensのデモを見た人なら分かるかもしれませんが、私はHoloLensをモバイル戦略の一部と捉えています。実演者がデスクトップでAutodeskの「Maya」を使って3Dモデルに移行し、操作を行ったとき、彼らはスマートフォンを使っていませんでした。

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