日本IBMとスタンシステム(徳島県徳島市)は7月16日、IaaS「IBM SoftLayer」を活用して、スタンシステムが運営する自動制御式LED植物工場のICT基盤を構築したことを明らかにした。
自動制御式LED植物工場とは、作物に対して、発芽、光合成の促進、葉の形成、開花調整など生育状況に適した周波数、波長のLED光を照射することにより、高品質な作物を育てるという施設だ。

スタンシステムが運営する自動制御式LED植物工場の様子
スタンシステムの植物工場では、イチゴの種から苗を育てる実証研究を行っている。工場には、温度センサ、湿度センサ、CO2センサ、水分センサ、pHセンサ、導電率センサ、LED光装置、ウェブカメラを配置し、各装置から作物の栽培環境に関するデータを自動収集して分析し、作物ごとの栽培レシピを作成。栽培レシピに基づき、工場に配置した赤、青、緑のLED管のオン/オフを自動制御して、作物に照射する光力を調整する。
LED管を調整する「照明自動制御システム」、「自動栽培レシピ管理システム」、「栽培履歴情報の収集、分析システム」、「画像処理システム」が稼働するIT基盤として、SoftLayerを採用した。東京データセンターを本番環境、米サンノゼのデータセンターをバックアップ環境として利用する。工場側に、センサデータなどを集約するサーバを設置。センサとサーバ間は、Message Queue Telemetry Transport(MQTT)プロトコルで通信する。
スタンシステムでは、同実証研究で蓄積したノウハウを活用し、自動制御型植物工場の構築、自動運用のための総合サービスを提供する計画だ。