海外コメンタリー

マイクロソフトのナデラCEOインタビューで分かった5つのこと

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-07-24 06:30

 筆者は米国時間7月13日、MicrosoftのSatya Nadella氏と会談した。直接会って話をするのは、同氏が2014年に最高経営責任者(CEO)に就任して以来、初めてのことだ(同氏が以前Microsoftで他の役職に就いていたとき、何度か話したことがある)。

 Nadella氏との30分間のインタビューの文字起こしを細かく調べてみて、Microsoftの戦略についてこれまでは把握しきれていなかった点にいくつか気がついた。

 その中でも特に重要な5つの点を紹介しよう。

 1. 「モバイル版Windows」と「Windows Mobile」は別のもの。確かに少し紛らわしいが、この違いは非常に重要だと言える。Windows Mobileは、「Windows Phone」や、ARM(とIntel)ベースの小型「Windows 10」タブレットに搭載されるOSの名称だ。モバイル版Windowsは、それよりもはるかに大きなカテゴリである。

 Nadella氏の定義では、「Microsoft HoloLens」「Microsoft Band」「Lumia」スマートフォン、そしてもちろん、OEMが現在または将来開発するこれらのモバイル製品のあらゆるバージョンもすべて、モバイル版Windowsエコシステムの一部ということになる。Windows Mobile、タブレット向けWindows 10、「iOS」デバイス、「Android」デバイスで動作するMicrosoftのアプリとサービスが増加しているが、Nadella氏はそれらもモバイル版Windowsエコシステムの一部とみなしている。Windows Phoneは今のところ、小さなモバイル版Windowsエコシステムの小さな一部分だ。MicrosoftはWindows Phoneの占める割合が将来拡大することを期待しているが、それだけを当てにしているわけではない。

 2. Microsoftにとって「プラットフォーム」と「クロスプラットフォーム」は同じものではない。Nadella氏が、Microsoftは「プラットフォーム」企業であると語るとき(たとえば「生産性とプラットフォーム」のように)、自社のソフトウェアとサービスを他社のプラットフォームで利用可能にするという話をしているわけではない。クロスプラットフォーム対応が新生MicrosoftのDNAの一部であることは間違いないが、Nadella氏が言う「プラットフォーム」とは、Microsoft自身の3つの中核的なプラットフォーム、すなわちWindows、「Microsoft Azure」、そして「Microsoft Office」を意味している。Nadella氏が目指すのは、他のハードウェア企業やソフトウェア企業、サービス企業がMicrosoftのプラットフォームを基盤に製品を開発するような強力なプラットフォームベンダーであり続けることだ。

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