今週の明言

NEC幹部が説く「環境にやさしいSDN」

松岡功

2015-07-24 14:17

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、NECの大嶽充弘 執行役員と、オランダRedSocksのPim Cornelissen CSOの発言を紹介する。


NEC 執行役員 大嶽充弘氏

「SDNが普及すれば、環境負荷低減に大きく貢献する」
(NEC 大嶽充弘 執行役員)

 NECが先ごろ、同社グループにおける2014年度の環境経営の成果と今後の取り組みについて記者説明会を開いた。環境経営を担当する大嶽氏の冒頭の発言は、その会見で、ソフトウェアでネットワーク機器を集中制御できる新しいネットワークアーキテクチャとして同社が事業推進に注力している「SDN(Software-Defined Networking)」が、環境負荷低減に大きく貢献することを強調したものである。

 会見では、NECグループにおける2014年度の環境経営の成果として、自社製品の消費電力量が2005年度比で91%減となり、2017年度に同80%減としていた中期目標を3年前倒しで達成。これにより、二酸化炭素(CO2)の排出量削減を加速させたことなどが紹介された。ほかにも、生態系・生物多様性保全に向けた活動の強化、資源循環・省資源の推進、気候変動対策などの取り組みなどについて説明があったが、それらの内容については他稿に委ねるとして、ここでは大嶽氏の発言にあるSDNの話にフォーカスしてみたい。


SDNが環境負荷低減に大きく貢献(出典:NECの発表資料)

 大嶽氏は図を示しながら、SDNの環境負荷低減への貢献について説明した。図の中にある表組みは、左から「ネットワークにおけるこれまでの課題」→「その課題に対してSDN化することで改善できる点」→「SDN化の主なメリット」という流れでご覧いただきたい。内容としては環境負荷低減について直接的に説明したものではないが、SDNの特長が簡潔にまとめられているので紹介しておきたい。つまりは、こうしたメリットがあるから環境負荷低減に効果的だというわけだ。

 そして図の下段にあるように、NECが現在SDN対応製品として提供している「UNIVERGE PFシリーズ」を導入すると、SDN対応でない製品と比べて約13%のCO2排出量削減が可能としている。ちなみに、これによる2014年度のCO2削減実績は10万3000トンに及ぶという。

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