(1)IT利活用の深化により未来に向けて成長する社会
政府は、国や地方を通じたIT化を促すための制度整備に向けて、「IT利活用を加速する新たな法制度の検討(新規)」を実施し、「IT利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」に基づく各施策を推進や、ビッグデータの活用を促進するためのデータ活用環境整備などの取り組みを進める。
また、「パーソナルデータの利活用整備」や「課題解決型のオープンデータの推進(新規)」などデータを活用した新たなビジネスモデル構築や新たな雇用創出につなげる。
今回の改訂版では、IoTや人工知能の進化による急激な時代の進化への対応の必要性が多く示されている。実世界とサイバー空間が相互に連関するサイバーフィジカルシステムと全ての産業においてデータが分野横断的に流通するデータ駆動型のイノベーション創出に向けた環境整備を強化する。
政府はこの秋にも「CPS(サイバーフィジカルシステム)推進協議会(仮称)」を創設し、ルール整備や体制づくり、先進事例の共有など、データ駆動型の新たな事業創出につながる取り組みを推進するという。
オープンデータでは、今回から「課題解決型のオープンデータの推進(新規)」にあるように、“課題解決型”という文言が付け加えられ、より地域に根差した内容が盛り込まれている。


(出所:出所:世界最先端IT国家創造宣言 改訂版 工程表 2015.6.30 公共データの民間開放(オープンデータ)の推進)
これまで、公共データの二次利用を可能とするルールの策定や、データカタログサイトの整備、地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの策定などの取り組みを実施してきた中で、活用の検討の必要性が顕在化してきた。
今後は、「課題解決型のオープンデータの推進」に発想を転換し、府省庁の重要施策などの検討に当たっては、課題の発見(可視化)・解決の一手段として、オープンデータの活用可否を検討し、政策決定過程においてオープンデータのビルトイン化を進める。
普及啓発に向けた取り組みでは、優良事例の水平展開として、オープンデータ100の収集、配信も進める。オープンデータ活用の鍵となる地方公共団体への取り組み支援では、民間有識者などの人材派遣やオープンデータ伝道師の任命、自治体特有データ形式の標準化などをあげている。