社会インフラの対応では、社会インフラの老朽化への対応が課題となっており、社会インフラの維持管理や更新に向けて各施設のデータベース化による可視化やロボットの活用など、経済的で効率的な点検や補修とともに、世界でも共通課題となっている老朽化する社会インフラへの成功モデルの海外展開も視野にいれる。
2020年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催に向けて、海外からの多くの観光客が予想されるため、個人の属性に応じた各種サービスの提供、デジタルサイネージ、道路交通サービス、公衆無線LANの提供、多言語音声翻訳システムの高度化、第5世代移動通信システム(5G)などの提供や実現に向けて取り組む。また、日本の最先端のIT活用による「おもてなし」を世界に向けて発信する。
(出所:出所:世界最先端IT国家創造宣言 改訂版 工程表 2015.6.30 最先端のIT利活用による「おもてなし」の発信)
(4)ITを利活用した公共サービスがワンストップで受けられる社会
今後の目玉の1つになるのが、導入に向けた取り組みが進められているマイナンバー制度だ。マイナンバー制度の開始に伴い、個人を識別する「個人番号カード」が配布され、2017年1月からは個人が利用できる「情報提供等記録開示システム」の名称である「マイナポータル」から自己情報の閲覧でき、各種手続がワンストップで可能となる。民間事業者との連携も含めて、利便性の高い社会の実現が期待されている。
一方、マイナンバー制度は、利便性の高いサービスが利用できる一方で、個人情報保護に関する対応が不安視されており、第三者機関である特定個人情報保護委員会によるマイナンバーの取り扱いに関する監視監督や、ガイドラインの見直しなどによる情報セキュリティ対策の強化が進められている。
今後、マイナンバー制度により、サービスの恩恵を享受でき、さまざまな活用の範囲が広がる一方で、個人情報の管理やセキュリティへの対応は非常に重要となっていくだろう。