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アジアでの課題は内部犯行の情報漏洩--注目集める日本企業の標的型攻撃対策 - (page 2)

鈴木恭子

2015-07-27 12:43

 「日本のベンダーは、カスタマイズ案件に慣れている。この“特性”をうまく訴求できれば、アジア市場で存在感を示せるはずだ」(樋口氏)

 また、内部からの不正アクセスも「日本と同等かそれ以上」(樋口氏)に頻発しているとのことで、日本のベンダーが培った防御のノウハウを「コンサルティングサービス」として展開していくという。

NRIセキュアテクノロジーズでセキュリティコンサルタントを務める川崎聡太氏(右)と事業開発部担当部長の与儀大輔氏。背景のタペストリーは、3月に米国で開催されたRSA Conferenceの出展にあわせて作成したものだという
NRIセキュアテクノロジーズでセキュリティコンサルタントを務める川崎聡太氏(右)と事業開発部担当部長の与儀大輔氏。背景のタペストリーは、3月に米国で開催されたRSA Conferenceの出展にあわせて作成したものだという

 NRIセキュアテクノロジーズも、アクセス管理の「SecureCube / Access Check」と、セキュリティアセスメントやリスクマネジメント、インプリメンテーションなどのコンサルティングサービスを出展した。

 同社でセキュリティコンサルタントを務める川崎聡太氏は、「運用管理者が持つ特権IDは、厳密なアクセス管理が必要だが、日本をはじめとするアジア諸国では、徹底管理されておらず、『他人のIDでシステムにログインすることに抵抗がない』というのが現状だ」と指摘。そのうえで、「内部犯行によるデータ侵害を防止するには、『いつ、誰が、どのマシンから、どのプロトコルで、どのデータにアクセスし、どのような操作を行ったか』をすべてモニタリングできるようなシステムが不可欠になる。SecureCube / Access Checkは日本でも多数の導入実績があるので、その部分を事例として紹介していきたい」と語った。

富士ソフトが展示した指静脈認デバイス
富士ソフトが展示した指静脈認デバイス。新興国では指紋認証を突破するため、「指の盗難」が後を絶たない現実があるという

物理的認証技術も注目

 一方、物理的な手段を用いた認証システムをアピールしていたのが富士ソフトだ。同社は、モフィリアと共同開発した「指静脈認技術」を用いた外付けデバイスを紹介した。

 指静脈認証とは、指の内部にある静脈のパターンを利用して認証するもの。LEDから発光された近赤外光を指静脈に当て、体内で散乱した光をCMOSセンサで撮像する。

 説明を担当していた同社国際事業部営業部戦略ソリューション課長の富岡万紀氏は、「現在利用されている指紋認証は、誤検知が多かったり偽装されたりという問題が指摘されている。その点、指静脈認証は体内にある静脈を用いるため、偽装や盗難の心配がない。すでに、トルコの医療機関や中国の金融機関などでも幅広く採用されており、アジアでのニーズは高いと確信している」と語った。

Paul Rourke氏
英Ernst&Youngでアジア太平洋地域サイバーセキュリティ・リーダーを務めるPaul Rourke氏

 多くのアジアの企業で内部統制や認証管理の徹底が急務であることは間違いない。英Ernst&Youngでアジア太平洋地域サイバーセキュリティリーダーを務めるPaul Rourke氏は、「どこの国や地域でも標的型攻撃のターゲットになっており、そこに違いはない。ただし、急速に発展した企業を多く抱える国では、内部統制が制度として確立していなかったり、利用する側のセキュリティ意識が低かったりという課題がある。攻撃者はそうした“弱点”を見極めたうえで攻撃を仕掛けてくる。アクセス管理の徹底はもちろんだが、同時に、従業員のセキュリティ意識を向上させるような教育も急務だ」だと指摘した。

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