紙ではなく電子コンテンツでプレゼンすることで営業は進化する
現在、J:COMは約2600人の営業スタッフが、営業支援の役割を持つプレゼンツールを使って日々活動している。このツールを使うことで、成績の面で伸び悩んでいたスタッフたちも、平均5%以上の成績向上の成果を上げている。まだ導入して3カ月にも満たない段階で成果が上がったことに、髙田氏は手応えを感じている。
「紙ではなく、電子化されたツールを使うことによって、コンテンツのどの部分がよく使われたのか、といったことを把握できます。そのことで、営業スキルの平準化、レベルアップにつなげることもできるでしょう。また、以前アプローチしたことがある顧客かどうか、どこまで営業したのか、といった進ちょく情報も、プレゼンしながら自然に収集できるようにするなど、営業スタッフにとって負担の少ない方法を考えています」
J:COMでは、この春から、「アフターサポート専門部隊」を本格的に組織し、活動を始めた。このチームは、既存顧客にアプローチし、契約内容の確認をしたり、新サービスを提案したりする。サービスに関わるさまざまな要望を顧客の住居に出向いて直接ヒヤリングし、対応する。同社では、この部隊にもプレゼンツールを配布して、効果を確認中とのこと。
J:COMは、一度はSFAの活用を中止したが、まずは、プレゼン機能に絞ってスタッフ内にツールの浸透を図る作戦で効果を上げた。電子コンテンツは、各人の営業活動の内容を客観的にトレースできるという意味で、SFAの役割を果たすことができる。営業支援に、まず標準化されたコンテンツを採用するというアプローチが広まる可能性は十分にありそうだ。