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クラウドの先にあること - (page 2)

田中克己

2015-08-04 06:30

チームワークに成長の活路求めるサイボウズ

 サイボウズが提供するのは、あくまでもチームワークを支援するソフトやサービスである。青野社長によると「チームワークとは多様性のこと。個性のある1人1人が活躍できるチームワークにする」。そのチームワークは企業内だけではなく、企業間にも、地域のコミュニティにもある。しかも、勤務する時間や場所など勤務形態が多様化し、副業も当たり前になっているかもしれない。

 パートナー企業がそんなチームワークを成功に導くソリューションをkintoneを使って開発する。解決する課題は業種によって異なる。大企業と中小企業によっても、国によっても異なる。「業種などに特化した課題をチームワークという視点で解決する」(青野社長)ものを、パートナー企業がどれだけそろえてくれるかということ。中国や米国など海外事業も、同じようなエコシステムを作り上げる。

 とはいっても、サイボウズはクラウド事業者を目指しているわけではない。それでも、セールスフォース・ドットコムなどと競合したり、比較されたりすることがあるという。だが、大手クラウド事業者に全方位で戦うのは難しいだろう

 AWSのように分単位の課金をはじめとする豊富なサービスメニューもない。もちろんクラウド基盤などの機能拡充を進めているが、サイボウズの特長、つまりチームワークに絞り込んだ専門店として、いわば「何でも対応する」スーパーに立ち向かう作戦を推進する。

 青野社長は「Linuxファンデーションのような寄付で成り立つようなモデルで、売り上げはゼロでもいい」と、極端に思える例え話をする。多くのプログラマらが開発に参画するLinuxとLinuxディストリビューションのような企業から形成するオープンなグループも、「あり」ということなのだろうか。

 その方向をほのめかす動きもある。無償で提供するサイボウズLiveや14年6月に開始した脆弱性報奨金制度だ。Liveの利用者は約110万(15年6月)に達する。第3者のプログラマーらにグループウエアのバグ発見に対して支払った累計報酬額も、5月末で約800万円になる。

 この2つのこれからの展開を明らかにしていないが、仲間作りやファン作りでもある施策は、世界で売れる日本発のサービスやソフトに仕立てる方法に思える。青野社長が目指すのは「いいグループウエアを開発し、世界中に使ってもらうこと」。

田中 克己
IT産業ジャーナリスト
日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長などを歴任し、2010年1月からフリーのITジャーナリストに。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)。12年10月からITビジネス研究会代表幹事も務める。35年にわたりIT産業の動向をウォッチし、主な著書に「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」(日経BP社)、「ニッポンのIT企業」(ITmedia、電子書籍)、「2020年 ITがひろげる未来の可能性」(日経BPコンサルティング、監修)がある。

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