調査

サーバ仮想化技術の活用をさらに促す方法--ノークリサーチ

NO BUDGET 2015年07月29日 07時47分

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 ノークリサーチは7月27日、中堅・中小企業におけるサーバ仮想化活用の実態と展望に関する調査の結果を発表した。調査は日本全国/全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業において、経営もしくはITの導入/選定/運用作業およびサーバの導入/管理の意思決定または実作業に関わる社員を対象として4月に実施した。有効回答件数は536件。

 今後は中堅・中小企業もサーバH/Wとして一般オフィスやサーバルームに設置する形態だけでなく、データセンターの利用やホスティング/IaaS(Infrastructure as a Service)形態といったさまざまな選択肢の中から取捨選択していくようになると予想される。そうした変化を的確にとらえるため、調査ではサーバのハードウェア所有有無や設置場所を制限せず、下図に示すような幅広い導入/運用の形態を総称する用語として「サーバ」を用いたとしている(物理的な筐体を持つ機器という意味合いでのサーバは上記の定義に沿って「サーバH/W」と表記して区別している)。


(ノークリサーチ提供)

中堅・中小企業全体の新規導入・刷新/更新サーバにおける仮想化適用予定率は55.4%

 年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、今後一年以内に新規導入または刷新/更新する最も重要なサーバにおける「サーバ仮想化の適用状況」を尋ねた結果は下のグラフの通り。

 この結果は、ITを提供する側から見た場合、「今後1年以内に販売するサーバのうち、サーバ仮想化が適用されることになるものの割合はどれくらいか」として解釈することができる(ここでの「サーバ」はクラウドも含めた「広義のサーバ」ではなく、ユーザー企業によるサーバH/Wの購入を伴う「狭義のサーバ」を指す)。


(ノークリサーチ提供)

 「最初からサーバ仮想化の仕組みが備わっており、実際に活用している」(OS同梱やプリインストールなどの形態サーバ仮想化ミドルウェアが最初から使用可能となっている場合)および「購入時にサーバ仮想化の仕組みを別途導入し、実際に活用している」(サーバとは別にサーバ仮想化ミドルウェアを購入する場合)を合わせると、何らかの形でサーバ仮想化を活用する予定である割合は55.4%に達する。

 年商別にみると、年商5~50億円の中小企業クラスではサーバの新規導入や刷新/更新の意向と比べて、サーバ仮想化の活用意向が比較的高い。したがって、既に導入済みのサーバ環境に対しても、サーバ仮想化の活用を訴求できる可能性がある。

サーバ仮想化の適切な目的を示せば、サーバH/Wのスペックや単価の上昇につながる

 以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「今後一年以内に新規導入または刷新/更新するサーバのメモリ容量」を「サーバ仮想化の適用状況」別に尋ねた結果をプロットしたもの。


(ノークリサーチ提供)

 この回答結果から、それぞれの状況ごとにメモリ容量の平均値を算出すると以下のようになる。なお、範囲のある選択肢では中央値を採用し、例えば「2GB以上~4GB未満」の選択肢については「3GB」を代表値とした。

  • 最初からサーバ仮想化の仕組みが備わっており、実際に活用している:43.4GB
  • 最初からサーバ仮想化の仕組みが備わっているが、活用はしていない:32.7GB
  • 購入時にサーバ仮想化の仕組みを別途導入し、実際に活用している:36.7GB
  • 購入時にサーバ仮想化の仕組みを別途導入したが、活用はしていない:42.6GB
  • サーバ仮想化の仕組みは全く導入しておらず、活用もしていない:26.5GB

 「サーバ仮想化の仕組みは全く導入しておらず、活用もしていない」と比べ、何らかの形でサーバ仮想化の仕組みを備えているサーバ環境ではメモリ容量が多くなっていることがわかる。

 より高単価なサーバハードウェアを訴求したい場合はサーバ仮想化活用と合わせた提案が有効と考えられ、「ユーザ企業のニーズを踏まえたサーバ仮想化活用提案」が重要であると言える。

仮想化ミドルウェアの導入予定シェアは2強が拮抗、全体的な課題の把握と解決が焦点

 下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、今後一年以内に新規導入または刷新、更新するサーバにおいてサーバ仮想化を適用する場合に利用する「サーバ仮想化ミドルウェア」を尋ねたもの。


(ノークリサーチ提供)

 「VMware vSphere」と「Microsoft Hyper-V」が拮抗しており、両者の合計割合は60.5%に達している。ただし、「サーバ仮想化ミドルウェアは不明」という回答が24.4%存在している点にも留意しておく必要がある。

 不明とする回答は年商別に見た場合には年商5~50億円の中小企業クラスで特に多く、サーバ仮想化ソリューションが洗練されるにつれ、サーバ仮想化ミドルウェアはユーザー企業に対しサーバハードウェア、OS、業務アプリケーションなどの一部として認識されがちになる傾向がある。

 大企業または中堅上位クラスのように専任の情報システム部門を抱える企業層を除くと、今後はユーザー企業がサーバ仮想化ミドルウェアを意識しないケースが増える可能性もあると予想される。また、ここでは全体状況を把握するために、「Docker」や「Parallels Virtuozzo Containers/Open VZ」といったコンテナ技術も選択肢に含めている。

 今回の調査ではこれら2つに対する中堅・中小企業の回答は得られておらず、現時点では大企業やデータセンター用途を中心に活用が広まりつつあるものと推測される。

 だが、いわゆるハイパーバイザとコンテナ技術は完全に競合するものではなく、システムの用途やニーズに応じた選択または共存の関係になるべきものといえる。そうした状況が中堅・中小企業に波及するにはまだ時間を要すると予想されるが将来的な変化に備えて状況を注視していくことが重要と考えられる。

 いずれにしても、仮想化ミドルウェア自体のスペックによる差別化は難しくなってきており、ストレージやネットワーク、ユーザー企業側のスキルなどといった複数の観点からサーバ仮想化活用を訴求していく必要がある。その際に最も重要となるのが、「中堅・中小企業はサーバ仮想化活用に際し、どのような課題を抱えているのか」という点だ。

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