米Inforは7月22日に2015年度の業績を発表した。ソフトウェアライセンスとサブスクリプションによる収益が12%増加し、2015年度のSaaS収益は前年比60%以上増加した。
またSaaSの受注高は300%以上増加し、現在、96カ国で4500万人を超えるユーザーがInforのクラウドアプリケーションを利用している。
なお、Inforでは2015年度より会計年度末を5月31日から4月30日に変更しているため、2015年度の業績は2014年6月1日から2015年4月30日までの11か月の変化を反映したものとなっている。
2015年度における「前年度比」は、この2015年度の11カ月間の変化について、2013年6月1日に始まり2014年4月30日に終了した11カ月(未監査)を2014年度として比較した数値を用いている。
同社は2015年度中、競合ベンダーであるSAPやOracleと競って勝ち取った500案件を含め、約2900社の新規顧客を獲得した。
新規で本稼働したユーザーとしてには、 Wyndham Hotels、Ferrari、 サンフランシスコ市営交通局、Hershey Entertainment & Resorts、Boskalis、EBSCO、Legacy Healthcare、BEST WESTERNなどが含まれる。
また、システムインテグレーターを通じた大手既存顧客のアップグレードにもフォーカスしており、HCL Technologiesなどと新規に契約した。
オンプレミスからSaaSへ移行するUpgradeXプログラムでアップグレードに成功したユーザーには、サンアントニオ市水道局やカンザス市水道局が含まれる。新たに提携したチャネルパートナーは97社で、チャネル売上高は18%増加した。
その他の2015年度のハイライトは以下の通り。
- 9月にニューオリンズで開催されたインフォアの年次ユーザーカンファレンスである「Inforum」では、7000人以上の参加者を記録
- マルチテナント対応、オープンソース、モバイル重視の設計でデータサイエンスを内蔵したインフォアの次期メジャーリリースである「Infor Xi」を発表
- 「Infor CloudSuite」の業界スイートとして、航空宇宙・防衛、自動車、流通・卸、設備・機器、施設管理、ファッション、食品・飲料、ヘルスケア、ホテル・娯楽、産業用機械製造、公共部門向けのソリューションを引き続き提供(日本ではこのうち自動車、ファッション、食品・飲料向け業界スイートを提供中)
- 会計管理、人事管理、顧客関係管理を統合した中規模市場向けの強固かつ汎用的なERPシステムのクラウド版「Infor CloudSuite Business」を提供開始。また、NetSuiteのユーザー企業が「Infor CloudSuite Business」にアップグレードできる交換プログラムも提供した
- 次世代のビジネスリーダーを育成する学習・コラボレーションプログラムである「Infor Education Alliances Program」の提供を開始(日本では未提供)し、ブランダイズ大学やニューヨーク市立大学(CUNY)、テキサス大学アーリントン校、テキサス大学オースティン校、ニューヨーク・アーバンリーグが初期ユーザーとして利用している
- マサチューセッツ州ケンブリッジに「Infor Dynamic Science Labs」を新設。機械学習とビッグデータ分析をインフォアのアプリケーションに組み込むことで、俊敏性と拡張性を高め、よりスマートかつエレガントなアプリケーションを作ることにフォーカスしている
Inforの最高経営責任者であるCharles Phillips氏は、以下のようにコメントしている。
「Inforは、今まさに高成長への転換期にあります。業界ニーズに対応できるクラウドソフトウェアとエレガントなユーザーエクスペリエンスの開発に大規模投資したことが、結果として表れています。多くの企業が、特定のソフトウェアベンダーに偏る固定化されたソリューションを避けるようになり、不要な機能のために高額なカスタマイズをするのではなく、本当に必要な機能を提供できる柔軟かつセキュアなクラウドアプリケーションを支持するようになりました。こうした今、Inforはさらなる成長が見込める有利なポジションにあります」