IDC Japanは7月27日、国内IT市場(官公庁、教育、一般消費者を除いた国内IT市場)の2015年~2019年の地域別市場予測を発表した。それによると、2015年の国内IT市場において、大都市圏とそれ以外の地域間の二極化は、円安の進展により量的、質的両側面においてさらに広がっているという。
(IDC提供)
2015年は、前年のPC更新需要反動の影響により、東京と近畿地方以外は全てマイナス成長になると予測される。特に、北陸新幹線に伴う市場拡大が一段落する北陸/甲信越地方、生産拠点の海外移転が進む中国/四国地方、九州/沖縄地方において、IT支出が伸び悩むと見込まれる。
円安の進展は、2015年は、東京を中心とした首都圏、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏に多く立地する輸出比率の高い大企業では、業績がプラスとなりIT投資が増える一方、それ以外の地域では、原材料費の高騰により業績が圧迫されている企業が多く、2015年のIT支出をほぼ止めてしまっている中小企業も出ている。
公共部門は、大都市圏以外の地域において、特にマイナンバー対応後にいかに地域活性化にITを生かせるかが鍵となるとのこと。
同社ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、以下のように分析している。
「企業向け市場においては、業績が改善した大企業の多い大都市圏中心に第3のプラットフォームによる戦略的ICTソリューションへのニーズが増える一方、それ以外の地域では、地域活性化をもたらす第3のプラットフォームを活用した公共ソリューションが市場をけん引する必要がある」