三村氏は、「リスクに関するプロセスの一元管理をサポートするとともに、海外旅行保険だけではカバーできないプロアクティブな対策が可能になる。将来的には国内出張の要望にも応えたい」と説明。今後、旅行会社と提携する考えを明らかにし、「旅行会社がRisk Messagingのサービスを新たなメニューとしてユーザー企業に提供できるビジネスモデルも考えている」とした。
従業員1000人以上の企業を対象に提供。初年度には20社の導入を計画。今後、3年間で100社への導入を目指すという。

アシックス グローバル人事総務統括部 総務部長 鷲野洋一氏
Risk Messagingの導入を決めたアシックス
アシックス グローバル人事総務統括部 総務部長の鷲野洋一氏は、「売上高3500億円のうち、8割を海外が占める。今年第1四半期から米国の拠点を中心にConcurの導入を開始し、日本でもすでに開発しており、第4四半期には導入する。そうした中でRisk Messagingをいち早く導入を決定した」と説明した。
「BCP(事業継続計画)として、出張者に対して旅行代理店で確認したり、Notesの出張精算システムで確認したりすることになっていたが、Risk Messagingの導入で迅速な対応が可能になる。ボストンマラソンでの爆破テロがあったが、世界的なスポーツイベントには当社従業員が参画しており、対応の迅速化を狙う。Risk Messagingは、まずは日本での導入を開始し、年間1500~1700人の海外出張者を対象にする。この成果を見て、海外にも展開していくことになる」と語った。
Concurは2014年12月にSAPが買収し、SAPグループの1社となっている。2011年から日本で事業を開始。現在、500社が同社のサービスを利用している。
「すでに20の業界の最大手規模の企業でConcurが採用されている。日本での出張・経理管理(Travel and Expense:T&E)分野では53%のシェアを持つデファクトスタンダードとなっている。クラウドアーキテクチャ、多言語、多通貨によるグローバル展開、Suica対応などの日本の要件に合致したローカライズ、モバイルファーストといった製品特徴を持つ。今後もT&Eの改革を通じて、日本の企業の競争力強化に貢献する」(三村氏)

Risk Messagingの画面。各地のリスクレベルや災害情報などを表示。日本では九州地方を襲った台風情報も表示されている