アビームコンサルティングは7月28日、SAPジャパンが提供する連結会計パッケージ「SAP Financial Consolidation」向けに独自のテンプレート「ABeam Template for SAP Financial Consolidation」の提供を開始した。Financial Consolidationに標準では実装されていない連結会計処理を自動化できるという。目安の価格は3800万円から。想定導入期間は6カ月程度から。
Financial Consolidationは、グローバル会計での制度連結、グループ経営の高度化、多様化に対応する業績管理(Enterprise Performance Management:EPM)システムの一つ。アビームが今回提供するテンプレートは、Financial Consolidationの持つポテンシャルはそのままに、アビームの知見と連結会計システムの構築経験に基づいて開発。統合基幹業務システム(ERP)パッケージからの自動連携、注記情報収集の多くをカバーした入力フォーム、財務諸表に加えて、監査帳票や連結処理過程の検証帳票を含むレポート、広範囲な自動連結処理などで業務運用の負荷低減を実現するという。
同テンプレートは企業の業務プラットフォームをワンストップで提供する「ABeam Cloud」での利用も可能なほか、オンプレミスでの利用であってもアビームが提供するプロトタイプ環境を使って、ユーザー企業の要件とのフィット&ギャップを検証することで早期に完成イメージを共有し、認識齟齬から生じるリスクを低減させられるとしている。
提供するテンプレートでは、IFRS Starterkitで自動化されている内部取引消去や資本連結、税効果調整などに加え、多段階商流を前提とした棚卸未実現利益の消去、固定資産未実現利益の消去と償却費調整、連結ベースの在庫低価法評価損計上などの連結処理を自動化した。
また貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)、相手先・増減明細に加えて、多くの注記情報収集に対応したパッケージフォームを実装、Excelからのデータ呼び出しなどでパッケージ入力や開示資料作成、連結経営分析を支援するという。
連結会計システム構築プロジェクトの推進で必要となる各種ドキュメントのテンプレートを用意。設計ガイドラインや想定課題一覧の利用により、想定されるバグなどを事前に取り除くことができ、連結処理解説書やパッケージ操作マニュアルでトレーニング準備の工数を削減するできるとしている。
より短期間、低コストで活用したいと考えるユーザー企業には、国内外のクラウドベンダーが提供する基盤をベースにしたABeam Cloudを通じ、同テンプレートを提供する。ユーザー企業自身でサーバなどのIT資産を準備することなく、グループ経営を強化するための会計基盤を整備できるとしている。