サイオステクノロジーは7月28日、機械学習機能を搭載したシステムオペレーション分析ソフトウェア「SIOS iQ Standard Edition」の販売を開始した。1物理ホストに1ライセンスで12カ月24万円で利用できるサブスクリプション形式で利用できる。
同製品は、2月から提供中の無償版「SIOS iQ Free Edition」の機能に加え、VMware仮想環境の性能問題の原因を分析し、予測をする機能を新たに搭載し、システムの性能問題の迅速な解決と未然防止に貢献するものとなっている。Standard Editionは日本、米国、欧州の各市場向けに販売される。Free Editionの提供も継続する。
SIOS iQは、VMware仮想環境で稼働するシステムを最適化、問題を迅速に解決するために機械学習技術で開発された製品。Standard Editionで新しく追加された性能問題の原因分析・予測機能は、従来のしきい値による異常検出とは全く異なるアプローチを採用し、異常値の判断基準となる閾値やポリシーを設定する必要がなく、企業のシステム管理者と運用担当者に全く新しい問題解決手法と運用効率の改善をもたらすという。
SIOS iQが24時間365日、物理ホスト、ストレージ、仮想マシン、アプリケーションなどシステムを構成する全ての要素の振る舞いを包括的に監視、その中で日常的な振る舞いと要素間の相関関係や相互依存性を自身で学習し続け、閾値やポリシーを使うことなく、アノマリ(異常)を検出すると同時に原因を分析する。このアノマリ検出と原因分析能力は、発生した問題の迅速な解決を可能にするだけでなく、システムへの影響も予測するため、深刻な問題の発生を未然に防止し、システムのサービスレベルの向上にも寄与するという。
vSphereに搭載される「vSphere Flash Read Cache(vFRC)」や各フラッシュストレージメーカーが提供するフラッシュのリードキャッシュ機能での最適なキャッシュサイズとブロックサイズをSIOS iQが導き出して提案する。
高速なオールフラッシュのSANでもローカルフラッシュリードキャッシュを利用することのメリットは大きいとされる反面、最適なキャッシュサイズとブロックサイズを見つけることは容易ではないと指摘されている。SIOS iQは自身でシステムの振る舞いを学習することでキャッシュサイズとブロックサイズの最適値を分析し、設定を変更した場合のIOPSやレイテンシといった効果を予測する。
「PERCダッシュボード」と呼ぶ機能も搭載している。性能(Performance)、効率性(Efficiency)、信頼性(Reliability)、キャパシティ(Capacity)の4つの指標でVMware仮想環境を評価し、システムの堅牢性を迅速、明快に把握できるという。シンプルで簡単な操作で、症状や影響範囲、原因、提案などの詳細な情報を参照でき、俊敏に問題解決や最適化のアクションを取れるという。
VMware仮想環境でデータベース「Microsoft SQL Server」を利用している場合、SQL Serverの振る舞いとその他の要素の相互関係を学習。性能問題を詳細に分析できるとしている。