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中国政府の思い通りに動かない上海株--中国の経済実態は悪化

ZDNet Japan Staff

2015-07-30 10:56

 中国経済への不安が、日本株の上値を抑える要因となっている。これまで、上海株の急落に注目が集まり、上海株の動きに一喜一憂する展開が続いていたが、これからは中国経済の実態と中国関連株といわれる日本企業の業績がどう出てくるかに注目が移っていくと思われる。

 中国で今起こっていることについて、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏が解説する。

中国政府の思い通りに動かない上海株、中国の経済実態は悪化

上海総合株価指数の推移:2014年12月30日~2015年7月29日


 6月中旬から急落した上海株に対し、中国政府が常識では考えられない強引な市場介入を次々と打ち出した。その効果で、7月9日以降、上海株は反発に転じていた。ところが、それでも市場の売り圧力を完全に抑えることはできず、7月27日に上海総合は前日比マイナス8.5%と急落した。29日は小幅安だったが、これで上海株の売りが一巡したのかわからない。

 急落の直接のきっかけとなったのは、24日に発表されたHSBCマークイット中国製造業PMI(景況指数)だ。5カ月連続で景況感の分かれ目となる50を割り込んでいた。

HSBCマークイット中国製造業PMI(季節調整済み):2013年1月~2015年7月


(出所:ブルームバーグ)

 中国政府が発表した4~6月GDPは、前年比7.0%の増加で計画通りの高成長だったが、中国政府の出す数字をそのまま信じる人は少なくなっている。中国では最近、自動車や鉄鋼の過剰生産が問題となっており、景気実態は良くないとの見方が広がりつつあり、PMIの悪化がそれを裏付けた形となった。

何でも思い通りに動かそうとする中国

 中国は、経済を力ずくで思い通りに動かそうとする。これだけ経済規模が大きくなったのに、いまだに金利や為替を自由化していない。預金金利の上限と貸付金利の下限が決まっていて、銀行は必ず利ざやを稼げる。為替取引も制約されている。

 日本企業は、中国で稼いだお金を中国国外へ自由に持ち出すことができない。貿易や為替取引を規制することによって、中国政府は人民元の対ドルレートを思い通りに管理している。

 中国政府は、金利や為替だけでなく、株式市場まで強引に操作しようとして物議をかもした。6月から7月にかけて普通の資本主義国では禁じ手となる市場介入を実施して上海株の反発を演出してきたが、27日には市場から手痛いしっぺ返しを食らった。

 中国政府は、日本が実施してきた「株価対策」をよく研究している。今回繰り出した株価対策も、一部日本のやり方を真似しているところもある。ただし、そのやり方はあまりに稚拙だ。

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