NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は8月3日、グローバルに展開するネットワーククラウドデータセンターなどを活用したセキュアなIoTソリューションを提供し、企業の効果的なIoT活用を通して生産性向上や新たなビジネス展開に貢献するため、8月1日に「IoT推進室」を新設したと発表した。
実証実験などを通じて進めてきたIoTへの取り組みを生かし、顧客がグローバルに安全なIoT環境を利用できるようにする。本推進室では、IoTソリューションに向けたサービスの開発と共に、アプリケーションプラットフォーム事業者やデバイス事業者などのパートナー企業との連携も進めていく。
同社がIoTソリューションに向けて提供するサービスの特徴は、以下の通り。
- グローバル展開するネットワーククラウドデータセンターに加え、IoTデバイスから収集したデータを蓄積、可視化、分析するアプリケーション基盤を、複数のパートナーとの連携により、ワンストップで提供
- IoTを安全に使うためのクラウドやデータセンターに直結した安全なネットワークを低価格でグローバルに提供
- 世界130拠点以上に展開するデータセンター(クラウド拠点含む)から、データ格納場所を選択可能であり、EUデータ保護指令などの各国規制に対応可能
- IoTソリューションにおけるデータ活用を容易にする、遠隔データセンター間での大容量通信サービスを提供予定
なお、NTT Comが過去に実施してきたIoTへの主な取り組みは以下の通り。
- 建設作業員の着用するウェアラブルセンサ「hitoe」から取得する心拍数などの生体情報を解析し、建設現場の安全性確保を目指すシステムの実証実験を、4月より大林組と実施
- 伊藤忠商事、NTTファシリティーズと連携し、インドネシアの広大な工業団地にモバイルネットワークおよび電力線通信技術で接続されたLED街路灯を設置し、時間帯により細かく光量を調整する調光制御をセンター側で行うことで消費電力量削減を行う商用プロジェクトを推進
- 電力の利用状況から、一人暮らしの高齢者など活動状況を判断し、離れて暮らす家族の生活を見守ることができるサービス「おげんきりずむ(仮称)」のフィールドトライアルを、8月から医療法人社団 博友会 金沢西病院と共同で開始
- 工場・ビルなどの生産性向上、保全業務効率化をセキュアに実現できる環境「Industry 4.1J」を目指し、現場とクラウド間の通信頻度、速度、量が現在設置されているネットワーク機器で実際に対応できるのかなど、生産現場の効率化に必要な各種技術要件を確認する実証実験を、3月から任意団体Virtual Engineering Communityと実施
- IoTの発展的概念であるウェブとモノの連携(WoT:Web of Things)を、技術開発の段階から積極的に推進。サンプルコード(ロボット操作など)をオープンソースとして公開すると共に、標準化団体(W3C)での標準化活動を実施