Cisco Systemsの研究者らによると、「Windows 10」のリリースからわずか数日後、Microsoftから送信されたように見せかけられた、同OSのインストーラと称するマルウェアが出回り始めたという。
同研究者らは、Microsoftをかたるこのメールに添付されているファイルを開かないよう警告している。添付ファイルは実際のところ「ランサムウェア」と呼ばれるマルウェアの一種であり、ユーザーのコンピューター上に格納されているファイルを暗号化し、身代金を要求するというものだ。
Ciscoの研究者Nick Biasini氏は同社ブログへの投稿で、攻撃者は「Microsoftの名をかたり、同社製品のユーザーから金銭をだまし取ろうとしている」と述べている。
この電子メールの本文には、今すぐWindows 10にアップグレードできるインストーラが添付されていると記されている。
Biasini氏によると「Windows 10へのアップデートを実施するには、(Microsoftからの連絡を)待つ必要があるため、この詐欺に引っかかりやすくなる」という。
メールに添付されている実行ファイルをユーザーがダウンロードし、開いた場合、コンピュータ上のデータがマルウェアによって暗号化され、アクセスできないようになってしまう。
身代金の支払いは、通常の銀行口座を用いた送金よりも追跡がずっと困難なビットコインで支払わなければならないことも多い。また、攻撃者は匿名接続システム「Tor」のネットワークを通じてコマンドサーバとやり取りするため、攻撃者の特定はほぼ不可能となっている。
Biasini氏によると、添付ファイルの内容は「CTB-Locker」と呼ばれるマルウェアであり、さまざまな詐欺メールで利用されているという。
提供:Cisco/Talos Group
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。