第1四半期(4~6月)決算の発表がピークを過ぎつつある。4~6月経常利益の、通期(2016年3月期)経常利益(会社予想)に対する進捗率は、時価総額2兆円以上の30社平均で見ると29.4%と高い水準にある。通期計画は、先行き上方修正含みと考えられる。
中国経済失速リスク、安倍内閣の支持率急落など不透明要因があって、日経平均の上値は重くなっているが、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏は、企業業績の回復トレンドは続いているだろうと話す。
第1四半期の利益進捗率は高い
時価総額2兆円以上30社の経常利益進捗率 :進捗率の高い順に並べている


(金額単位:億円) (注:東証一部上場の3月期決算企業で、8月5日までに決算を発表した時価総額2兆円以上の30社について集計、楽天証券経済研究所が作成)
第1四半期の経常利益は、季節要因がなければ、通期計画の4分の1(25%)あれば順当ということになる。ただ実際は、4~6月は1年の中でも売上利益が少なめに出る季節であり、進捗率は25%を下回っていても問題ない場合が多いといえる。現在集計中の決算で、時価総額上位30社で29.4%の進捗率は高く、決算は良好といえる。
じっくり好業績の割安株を仕込んでいく局面
窪田氏は、日経平均が年末2万2000円に上昇するとの予想を継続するとの見方だ。海外発ショックによる短期的な下値リスクは払拭されないが、こういう局面で、割安な好業績株を買っていけば良いリターンが得られるという。
とりあえず、7日発表される米国の7月の雇用統計に注目だ。強めの数字が出て、米FRB(中央銀行)による年内の利上げ懸念が強まると、株が売られる要因となる。
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