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目指すは最速エクサ級スパコン--AMDが構想する未来のアーキテクチャ - (page 2)

John Morris (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-08-11 06:15

 エクサ級実現に向けたAMDのアイデアで最後のピースとなるのが、「Heterogeneous System Architecture」(HSA)だ。これは、CPUコアとグラフィックスが1つの仮想メモリ空間を共有することを可能にする、ハードウェアとソフトウェアの一連の仕様だ。これにより、この複雑なメモリ階層のどこにデータが保管されているかにかかわらず、あらゆるCPUコアがデータを直接読み書きできるようになる。理論上は、この仕様によってCPUの負担が軽くなり、常にデータをあちこち移動させる必要が最小限で済み、プログラミングが容易になる。しかしAMDは、HSAを大規模で複雑なシステム上で機能させるには、HASに未完成の部分が多く残っていることを認めている。それだけではない。ほかの課題として、チップ上(ネットワークオンチップ)とシステムレベルの両方における相互接続や、新しいメモリ内処理機能、そしてミッションクリティカルなアプリケーションのための、より強固なヘテロジニアスプロセッサなどの開発がある。

 多くのニュース記事で、AMDの2016~2017年サーバロードマップで提示されたAPU群と、このEHPの間のつながりを見つけようという試みがなされてきた。それらの間には関連があるかもしれないが、両者が同じものである可能性は低い。

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 グラフィックスやほかの特殊なアクセラレータを備えたサーバチップは、多くのクラウドや企業環境のワークロードに適している。AMDが以前から、サーバAPU「Opteron X2105」を販売し、Intelの「Xeon E3-1200 v4」が「Iris Pro P6300」グラフィックスを統合しているのは、それが理由だ(Intelが、サーバチップ上のプログラマブルロジックの統合を加速するために、Alteraに170億ドル近い金額を支払おうとしているのもそのため)。AMDが、より進んだプロセス技術である、新しいマイクロアーキテクチャ「Zen」(同時マルチスレッド処理をサポートし、グラフィックスを向上させる技術)を活用した、将来の高性能コンピューティング向けAPUによって、こうした流れを拡大したいと考えるのは、きわめて理にかなったことである。

 対照的にEHPは、特に将来のスーパーコンピュータをターゲットとした長期プロジェクトの一部である。FastForward 2プログラムを発表したブログ記事で、最高技術責任者(CTO)のMark Papermaster氏は、APUと次世代メモリの使用についてのAMDの研究は、「2020年~2023年の期間での商用利用」を目指していると書いている。先頃、「国家戦略コンピューティングイニシアチブ」(NSCI)を立ち上げる大統領令を発令するにあたって、オバマ政権は主な目標を、今後10年でエクサ級システムを実現することとしており、米エネルギー省では2023年~2024年を目指している。

 この目標を達成する最善の方法はおそらく、汎用CPUと、GPUのようなアクセラレータの両方を使用する、ヘテロジニアスシステムを採用することだろう。世界最速レベルのスーパーコンピュータの多くが近年、アクセラレータを採用しているのはそのためだ。この分野に取り組んでいる企業はAMDだけではないが、同社はこの分野をけん引していくには良い位置につけている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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