Canonical、Mirantis、Red Hatなどが「OpenStack」の製品やサービスの提供に取り組んでいるが、問題はどの企業がもっとも使いやすいものを提供してくれるかだ。Red Hatは米国時間8月5日、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 7」(RHEL OS)を一般にリリースした。
Red HatはこのRHEL OSの新バージョン(OpenStack Kiloベース)で、新しい導入、管理ツールを提供している。Red Hatによれば、これによって日常的な管理タスクが簡単になり、ライブシステムアップデートのオーケストレーションや、その後のリリースのアップグレードの基盤を確立することができるようになる。
バージョン7には、次のような特徴がある。
- 単純化された導入と管理:簡素化、自動化されたクラウドインストールツールを提供する、新たなRHEL OSディレクターが導入され、日常的な運用管理やリソースのプロビジョニングが簡単になる。
- OpenStackのワークロードの高可用性:高可用性が必要な従来の基幹アプリケーションの移行を簡単にするため、コンピュートホストノードの高可用性を実現している。
- セキュリティコントロールの強化:VMレベルのネットワークトラフィックポートに対する制御が強化され、粒度が細かくなっており、大きなOpenStackクラウドに対して高いセキュリティレベルを維持できるようになる。
- ネットワークの柔軟性:「Neuron」の新しいネットワーク機能により、より柔軟で改善されたネットワークの冗長性を提供する。
- 差分バックアップ:スナップショットバックアップを行う際に必要な容量が減り、バックアップ時間も短くすることができる。NFSとPOSIXのファイルシステムタイプがサポートされている。
Red Hatは、技術的な改善に加えて、RHEL OSが「350を超える認証パートナーで構成された、最大のOpenStackエコシステムの1つに支えられている」ことを強調している。さらに、RHEL OS 7では、「Red Hat Ceph Storatge 1.3」のサーバとクライアントの統合セットアップとインストールも可能になっている。
問題は、Red Hatが数あるOpenStackディストリビューションの中から、このRHEL OS 7でエンタープライズ顧客を引きつけることができるかだ。注目しよう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。