「Google Cloud Platform」の超低価格ストレージサービス「Google Cloud Storage Nearline」の一般提供が開始された。本記事では、このサービスと「Amazon Glacier」を比較する。
提供:Google
Googleは2015年3月からベータ版として提供していたNearlineの一般提供を7月に開始した。このサービスはデータストレージにおける第3の階層と位置付けられ、Google Cloud Platformの既存サービスである「Durable Reduced Availability(DRA)Storage」よりもレスポンスが低いながらも低コストで提供されている。なお、GoogleはNearlineのリリースにともなうプロモーションとして、3カ月以内に少なくとも1ペタバイト(1000テラバイト)のデータを転送すると約束した新規顧客に対して、6カ月間無料で最大100ペタバイトのストレージを提供している。
同社のクラウドストレージ製品群に追加されたこの第3の階層を用いることで、IT部門は今すぐ必要なストレージ容量に応じてプロビジョニングできるようになり、クラウドのデータストレージにかかる費用を最小限に抑えられるようになる。Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Simple Storage Service(S3)」でも第3の階層となるAmazon Glacierサービスが用意されているが、両社の価格体系とそのパフォーマンスは大きく異なっている。
GoogleのNearlineとAmazon Glacierの比較
GoogleとAWSにおけるストレージコストの比較は一筋縄ではいかない。AWSの料金体系は、どのリージョンにどれだけの容量を保存するのかによって変わってくる。米国東部リージョンの場合、1Gバイトあたりの1カ月料金は標準的なストレージが0.03ドル、そして低冗長化ストレージ(RRS)が0.024ドル(いずれも数量割引の対象)、Amazon Glacierは0.01ドルとなっている。Googleの場合、1Gバイトあたりの1カ月料金は標準的なストレージが0.026ドル、DRAストレージが0.02ドル、Nearlineストレージが0.01ドルとなっている。ただ、Glacierでは3カ月が経過する前にデータを削除した際に1Gバイトあたり0.03ドルという早期削除料金が課される。一方、Nearlineの利用は最低1カ月からとなっている。