興和(名古屋氏中区)は、“医薬品安全性監視(pharmacovigilance)”対応の効率化を図り、安全性管理業務の基盤を刷新した。日本オラクルが8月11日に発表した。
医薬品安全性監視は、市販される医薬品の副作用を監視、調査して、副作用の被害を減らす取り組み。興和が新たな基盤に採用したのは、「Oracle Argus Cloud Service Global」と「Oracle Argus Cloud Japan」。また、今回の移行プロジェクトでは、Oracle Health Sciences Consultingが過去の案件で構築した再利用可能なリソースと、多言語多文化に対応したグローバルなチームメンバーの経験を活用して支援した。
Argus Cloud Serviceは、24時間365日のオペレーションサポート、高い稼働性といったメリットがあると説明。加えて、国際標準化機構が定めるITサービスの国際規格「ISO 20000-1」、アウトソーシングサービスを受託した企業の内部統制を評価する、米公認会計士協会が定める「SSAE-16」、医療機関で患者の情報の機密性などを維持するために定められた法律「HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)」などの業界標準のコンプライアンス対応支援などのメリットを享受できると説明している。
これにより、興和が積極的に進めているグローバル成長計画に沿って、ますます複雑化する規制要件へのコンプライアンス対応の管理と医薬品安全性監視にかかるITコストの削減を支援する。
興和は、日本や北米、欧州での規制要件への法令遵守を支援するArgus Cloud Serviceの機能を活用することで、国際的な法令遵守要件などの今後準拠が求められる報告要件への対応に十分に備えていく予定。Argus Cloud Serviceで安全性管理業務の基盤を拡張性に優れた一つのグローバルな安全性データベースに集約し、システムの複雑性とメンテナンス要件を継続的に削減しつつ、新たな市場への事業拡大を継続するために必要な安全管理体制を構築できるとしている。