Windows 10 Enterpriseでは他のエディションと異なり、「Long Term Servicing Branch」(LTSB)を利用できる。LTSBは、セキュリティやフィックスと関係のないWindowsアップデートの適用を10年間遅らせることができるオプションだ。
OvumのEdwards氏によると、LTSBとCBBのアップデートモデルをマシンごとに使い分けられる点が企業に好評だという。
「当社の一部の顧客は、このモデルに非常に前向きな反応を示しており、過去には実感できなかったほどの柔軟性を得られると考えている」(Edwards氏)
その他の機能
きめ細やかなUX制御「Granular UX Control」は、IT管理者がWindows端末のユーザーインターフェースをカスタマイズしてロックできる機能だ。マシンが特定のタスクしか実行できないように制限することができる(たとえば空港でチェックインキオスクとして利用)。
Internet Explorerの「Enterprise」モード古い企業イントラネットサイトは、最近のブラウザでは正しく表示されないことや、意図したとおりに挙動しないことが多い。
この問題に対処するため、Windows 10に標準搭載される「Internet Explorer 11」(IE11)にEnterpriseモードが用意し、IE8と似たエクスペリエンスを提供する。エラーを引き起こす可能性のある比較的新しいブラウザ機能(タブ切り替えなど)を無効化し、互換性の管理や確認のためのツールを利用することができる。
デバイスの暗号化「Windows 8.1」の場合と同様に、「Device Encryption」を有効にすると、マシン内のすべてのドライブが自動的に暗号化され、ユーザーアカウントのパスワードを知っている人以外はロックを解除できなくなる。
暗号化をパスワードベースにしたのは、ユーザーが簡単にシステムにログインして使用できるようにしつつ、悪意のある第三者がデータにアクセスできないようにするためだ。回復キーを組織の「Active Directory Domain Services」に保存できる回復メカニズムもサポートする。
グループポリシー管理旧バージョンのWindows OSと同じく、Windows 10の物理/仮想マシンと端末もグループポリシー設定を使って管理できるため、ITプロフェッショナルは全社のユーザーとコンピュータを構成することが可能になる。Microsoftによると、グループポリシー設定ではマシンや端末を構成する方法が3万通り以上あるという。
Windows 10では、グループポリシーを使って管理できる新しい機能や設定が追加された。たとえば、新ブラウザ「Microsoft Edge」に関連する約20の設定や、ユーザーのアプリケーションデータが常にシステムボリュームにとどまるように制限する機能、Windows Storeアプリの非システムボリュームへの展開を無効にする機能などがある。「Start Menu」のレイアウトをカスタマイズするさまざまなオプションも用意されている。
BitLocker「BitLocker」は、128ビットまたは256ビット暗号化アルゴリズムを使用してドライブを暗号化し、コンピュータの紛失や盗難の際にもデータを保護することができる機能だ。
第三者によるアクセスからデータを守るだけでなく、マシンに障害が発生したときにネットワーク管理者が回復キーにアクセスして、ドライブからデータを取得できるようにするツールも提供する。