8月17日の日経平均は、100円高の2万620円だった。人民元の切り下げがいったん終了したことを好感して欧米株が反発した流れから、日本株も上昇した。
ただし、中国発の悪材料がこれで出尽くしたとは考えられない。楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏は、日本株の投資環境に悪材料が増えており、短期的には、日経平均が再び2万円前後に下がるリスクも意識した方がいいという。
(1)世界的な景気減速、(2)アメリカが年内利上げ方針であること、(3)日本の景気回復の勢いが鈍いこと――などが気がかりだ。
いろいろリスクは増えているが、企業業績の拡大トレンドは変わらず、窪田氏は日経平均は年末に2万2000円へ上昇する予想は継続していると話す。日本株に対して、短期的に弱気、長期的には強気の投資判断だ。
人民元の切り下げはいったん終了
人民元の対米ドル相場:8月3~17日

(注:楽天証券経済研究所が作成)
中国が景気てこ入れのため、人民元の切り下げを続けて輸出ドライブをかけるとの懸念は、いったん払拭された。人民元の切り下げがいったん終了したことが、世界的な株の反発につながった。ただし、中国景気が予想以上に減速してきているため、中国発の悪材料は、今後も続く可能性がある。