海外コメンタリー

マイクロソフトの「Cortana Analytics Suite」--位置づけや狙いは?

Andrew Brust (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2015年08月25日 06時30分

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 Microsoftはこの2年間、クラウドデータアナリティクス製品を次々に繰り出してきた。次の課題は、それらの製品を統合すること、そして多くの顧客を獲得することだ。同社は「Cortana Analytics Suite」で、その両方を狙っている。

 約2年前に「Power BI」の最初のバージョンがプレビュー公開されて以来、Microsoftは矢継ぎ早にクラウドデータアナリティクス製品をリリースしている。クラウドベースの「Hadoop」ディストリビューションである「HDInsight」の一般提供が開始されたのは2013年10月であり、Power BIの一般提供はその2カ月後だった。「Azure Event Hubs」「Machine Learning」「DocumentDB」は2014年の夏にプレビューが公開され、それぞれ2014年11月、2015年2月、2015年4月に一般提供が開始された。「Azure Stream Analytics」のプレビュー公開は2014年10月であり、一般提供開始は2015年4月だ。

 ペースは今も衰えていない。「Azure Data Factory」は2014年10月にプレビューが始まり、2015年の夏には「Azure SQL Data Warehouse」「Azure Data Lake」「Azure Data Catalog」のプレビュー版が公開された。そして、刷新された「Power BI 2.0」の一般提供が米国時間2015年7月24日に始まっている

次に来るのは?

 このように、Microsoftは非常に多くのクラウドデータアナリティクス製品を提供している。とはいえ、Microsoftがかなりのハイペースで市場に送り出しているこれらのサービスは、複数の機能を持つ完全に統合された製品というよりは、それぞれ個別のサービスとなっている。サービスの数が多いと、課金の面でも実装の面でも複雑になる場合がある。

 たとえばPower BIは、今では「Office 365」のサブスクリプションは必要としなくなったものの、スタンドアロンのサービスであり、Azureの下にはない。Azureのサービス内でさえ、課金の仕組みもさまざまで、使用しているサービスによって2つのポータルを使い分ける必要があるといった複雑さがある。

Cortana Analyticsの位置づけは

 10年前、Microsoftはデータベースの「SQL Server」と開発環境である「Visual Studio」(これらは後に2005バージョンとなった)を連携させるために相当な努力をしたが、これが度重なるリリース延期につながり、開発者たちをいら立たせた。これが理由で、同社は別々に並行して開発を進める方がよいと判断しているのかもしれない。統合は後から進めることもできる。その場合、最初はブランドやSKUから始まり、その後ユーザーインターフェースやテクノロジの統合に進むことになるだろう。

 ここでCortana Analytics Suiteについて見てみよう。これは、前述のクラウドアナリティクス製品すべてをまとめ、それにデジタルパーソナルアシスタントである「Cortana」と、画像認識、顔認識、音声認識やテキスト分析を含む「知覚インテリジェンス」を組み合わせた、ブランドおよびサブスクリプション契約だ。(知覚アナリティクス機能の一部には、Microsoft Researchの「Project Oxford」で開発された技術が使われている)。

Cortana Analyticsが提供する連携

 Cortana Analyticsは、7月に開催されたMicrosoft World Partner Conferenceで発表された。一般提供は2015年秋の予定であり、このサブスクリプション1つで「Azure Big Data」とアナリティクスサービスすべてが利用できるとされている。価格も秋に公開される予定だ。

 MicrosoftはCortana Analyticsの顧客に対し、個別の業界に特化したソリューションも提供すると約束している。これらは基本的に、利用事例のテンプレート/アクセレレータであり、対象となる業界には、製造業、医療、金融サービスなどが含まれる可能性が高い。これらのソリューションはそれ単体で完全なサービスではないだろうし、まして完全なサービス統合が行われるはずもないが、それでも、サービスを連携させて利用する方法を示す標準的な例として役立つはずだ。

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